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ぎこちない由宇 〝由宇 27歳編〝
「おつかれさま、由宇。撮影、終わったよ。涼木も付き添いありがとう。助かったよ」
「っ!」
瀬谷に声をかけられて一瞬、由宇はビクッと肩を揺らした。
硬直する由宇を涼木はあたたかく見守り由宇の手を握り励ますと由宇は勇気を出し瀬谷に笑顔を見せた
「えと、瀬谷せんせ、画像どうだった?」
「あー…それはだな」
言いよどむ瀬谷の腰を軽く麻弥は軽く叩き
「ぼくが言うね。あのね、由宇くん。前に肺炎になった時よりはひどくないよ」
「んー…そっか。酸素する感じ?」
「そうだね正解。少しうっとうしいかもしれないけど装着してられるかな?」
「分かった。けど、あんま自信ないかも」
「こらこら、そんなこと言わないの。由宇くんって跳ね返りくんだね?でも、なんかかわいらしく感じるからいいけど。またお部屋に様子を見に行くね。それと、さっきは動揺させるようなこと言ってごめんね」
「…あ、いや…。なんかさっきは取り乱しちゃって…。なんでああなっちゃったか分かんないけど」
チラッと瀬谷を由宇は見て、過呼吸の原因が分からず首を傾げ
「由宇、すまない。俺はクレーンゲームのことを話すくらいであんまり俺自身のことを話さないから突然、プライベートなことを耳にしてしまったから驚いてしまったね」
「驚いた…のかな?俺………」
だんだんうつむきだし沈んだ表情になっていく由宇を見た麻弥は少し慌てだし口を挟み
「えと、お部屋!お部屋に帰ろうか?たぶんだけど、休憩から帰ってきた時雨さんが由宇くんが部屋にいないから驚いてるころと思うし。朱雀くんはまだ少し早いけどこれから午後の外来だったよね?」
「あ、ですね」
「うんうん、そしたら涼木くん病棟に一緒に戻ろうっか」
「え…帰りも手伝ってくれるんです?奈南先輩呼ぼうと思ってたんですけど」
「もちろん!送ったらぼくもお昼に行かせてもらうね。じゃ、朱雀くん外来よろしく。技師さんありがとうございました」
「先輩、涼木、由宇を頼みます。由宇、外来が終わったらまた病棟に顔を出すよ」
「ん、分かった。待ってる。行こ、大雅さん」
「よし、帰るか。ありがとうございました」
瀬谷は外来へ、由宇、麻弥、涼木は病棟へと向かった。
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