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血圧計と由宇〝由宇 27歳編〝

ベッドの車輪をロックすると涼木はモニターの機械をベッドに近づけ、電極シールと血圧を測るための帯を取り出した。 「佐東先生、モニター装着開始しますね」 「うん。酸素投与もこの時間からスタートで」 「はい。由宇くん、血圧計巻くからじっとしてて」 涼木が仕事モードになり由宇の腕に手をかけると、由宇はおびえて首を横に振りすがるような視線を白鷺に向け 「や、やだ。俺、それ好きくない」 「ダメだって。ステーションからこの部屋まで遠いからちゃんとモニターしよう?」 「やなのっ!ぎゅーって何回もするじゃん。白鷺せんせっ、助けて」 「あー…血圧計のやつ巻いたまんまにすんの、嫌なんだよな?(さね)から聞いたことあった気が、、定時測定ならいいか?由宇」 「確かに…実くん、言ってたかも。それってこの子のことだっけ?時雨さん」 「ああ。カルテにも記録が残ってたと思う」 「ぼく、まだ見きれてないんだよね。後で見ておくね。心電図と酸素のモニターは?」 「それくらいなら我慢できるか?由宇」 「う、うん…いいの?」 「許す。けど、なんかおかしいなって感じたらすぐにナースコールな?押せるか?」 「治療怖くて押せないよ、とかない?ぼくはそれが心配」 心配する2人の医師の気持ちが嬉しくて由宇は緊張しながらも笑みを浮かべ 「だ、大丈夫…かな?たぶん」 「たぶんかぁ。ふふ、困ったねぇ。涼木くん、由宇くんはいっつもこんな感じ?」 「ですね」 返事をし、涼木は由宇の胸に電極シールを貼り付けていき 「んっ…大雅さん、冷たい」 「我慢。すぐ気にならなくなるって」 「うー…」 「ほら、酸素のつけるよ。指出して」 「指…はい」 「よし、最後に酸素のチューブな?」 酸素のチューブを由宇の顔にはわせテープで止めると「いい子」と涼木が由宇の頭を撫でた。 撫でられた由宇ははにかみ、白鷺と麻弥の様子をうかがい 「怒ってない?俺……ただ怒られたくなくて言われたお茶を全部飲むことだけに意識持っていちゃって、そうしたらどうなるかまで考えてなかった、、医者なのに…恥ずかしい」 由宇は自分を恥じて、握り拳を作り目を潤ませた。

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