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由宇 果てる 2 〝由宇 27歳編〝

扉を開けて目が合った瞬間に由宇の太ももが痙攣しているのを見た麻弥は口元を手で覆い、満面の笑みを浮かべ目を輝かせ 「うわーかわいいぃーっ。ねぇ、イったの?イった?由宇くんっ」 「………」 ボーっとしたまま、固まっている由宇の顔をのぞきこみ、麻弥は2人の隣に座り 「んふ。飛んじゃってるねぇ?ね、時雨さん」 「ああ、イってるな」 「指だけでここまでってすごいなぁ。時雨さんだから成せるわざ?」 「いや、違うな。こいつがエロいんだ。危うく押し倒すところだった」 「押し倒せばよかったじゃない?据え膳食わぬは…って言うよ?」 時雨は由宇から指を抜き、コツンと麻弥の頭を軽く叩き 「あ痛!なにするのー」 「仕事中。それ以前に今、由宇は患者でしかも酸素やら点滴、尿管が付いてるんだぞ。簡単に言うな」 「はぁ?じゃあ、なんでこんなエッロイことしてくれちゃってんの?ぼくをのけものにしてさ!ずるいよ、時雨さん」 「ひがむなよ、麻弥。これはレクチャーしてたんだ」 「レクチャー、、ってなんの?」 「前立腺のいじり方。される側は体験したから意識がしっかりしてきたらする側の体験をする」 「へぇ、する側の…。へ?ちょい待って時雨さん。どうやって?被験者は誰?」 「お前」 「…」 時雨に指差されると麻弥は絶句し、ぶつぶつとぼやき 「なんか違う…。ぼくは由宇くんをアンアン言わせたいんであってぼくが由宇くんにアンアン言わされたいわけじゃ…」 「はいはい。由宇の将来の為にひと肌脱いでくれてありがとうな?」 ケラケラ笑う時雨を横目に麻弥はぷくーっと膨れ面を作り不満をあらわした。

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