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佐渡のプレゼント 〝由宇 27歳編〝
(琢磨 さん!!まだ面会時間まで3時間以上あるのに何故)
いきなりすぎです。心の準備が!
私は今…変な顔、していないでしょうか?
不意打ちの来訪だなんて…ッ
紫藤は予想していなかった訪問者に焦り、落ち着かない様子できょろきょろとあたりを見回した
「縁?どうした?」
「だ、誰かに見られていませんか?ここで下の名前を呼ぶのは反則です」
「興奮するな。しんどくなるぞ。心配しなくていい。お前が独居 だから面倒を見てるって言うていになっているから」
「面会時間は午後から夕方までなのに」
「なんだ。嬉しくないのか?てっきり喜んで抱きついてくれると思っていたんだが…残念」
落胆する佐渡の様子に紫藤はうろたえ
「嬉しくないわけが…」
「ん?」
「その…だから、、えと」
うまく言葉にあらわすことができなかった紫藤は頬を朱に染めて照れながら佐渡に向けて両手を広げた
(察して…ほしいです、、って言うのは私のワガママでしょうか?)
不安そうな表情をする紫藤を見、紫藤の望むことを察した佐渡はニっと歯を見せて笑い
「縁。仕事以外でのひとりぼっちの夜をよく耐えたな」
ベッドの端に座りワンショルダーバックを布団の上に置くと、広げる紫藤の腕の中に佐渡はおさまり紫藤の背を抱きしめ、その背を撫でた
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