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指宿×すぅ
「すぅっ!こら皇(こう)っ。なんで自分をこんなに傷つけるの!」
指宿は帰宅し、血だらけで横たわる皇を見て青ざめた
「たっくん…ごめん、なさい」
「やっぱり爪を切っておくべきだった」
指宿は皇を抱き寄せキスを首筋に落とし頭を撫で隣の部屋へと向かい爪切りを手に戻ってきた「おいで?自分から僕の膝の中にこれる?それとも誘導する?」
「分かんない…」
「手、引っ張るよ」
指宿は手を引っ張り膝の中へと誘導し、皇が動けないように抱きしめながら爪を切っていった
「い…痛…怖い」
「大丈夫。痛くない…怖くない」
「や…ったっくん…怒ってる」
「怒ってない。怒ってないけど…ただ、悲しいかな。僕は拘束したくないんだよ。このままだと僕が出勤中縛らないと不安だよ」
「ごめんなさい…」
「いいんだよ?謝らなくて」
「えっち…する?」
「したいならしてあげる。でも、僕の気を取り持つためならしない」
「…行かないで」
「行かないよ」
「捨てない?」
「捨てない。ずーっと一緒にいるって約束したでしょ?鈴原の姓を捨てて、僕の子になろうって」
「だけど…そんなのおかしいもん」
「皇?子になったからって恋人じゃなくなるわけじゃないんだよ?」
「えっちできる?」
「もちろん。したいのはしたいの?」
「うん…たっくんとしてると幸せ。あの…幸せといえばなんだけど、幸せくん勤務今日からだよね?元気だったの?」
「ん〜…元気?かな…初日だから緊張してたよ。しかしすぅ?なんでコウくんがうちから出ていくまで同棲拒否ったかな?顔見知りだったんだよね?」
「知られたくない」
「いいじゃない?君ら仲良くなれたと思うよ?」
「だけど、すぅのイメージが…壊れちゃうよ」
「最初だけと思うな。今からでも仲良くなれるよ?何回かゲーセンとかカラオケしたんでしょ?」
「うん」
「まあいろいろ考えておこうね。はい、爪切りおしまい。片付けるからベッドで待てる?」
「はい」
皇はぎこちなく笑みを作り、指宿の動きを待った
「いい子だねすぅ」
「もっと言って?」
「うん。いい子だよ、すぅ。どうやってしたら気持ちいいか言える?」
「キス…したい」
「キス?うんいいよ。溶けちゃうくらいしてあげるよ」
2人は唇と唇を重ねあった。
鈴原皇(すずはらこう)義父による性的虐待、実母による養育放棄でパニックを起こし、伯父に引き取られる。その後一時交際していた同性恋人と疎遠、破局し当院入院。
皇のエピソードだ。
その交際相手がコウくんのクラスメイトの佐伯仁(さえきじん)くんで、仲良くしていたようだがお互い進路が違い次第に会わなくなり別れを告げられたようだ
円満な別れとはいえ、仁くんに依存していた皇はたちまちメンタルバランスが崩れおかしくなった。
それが8年前のことだった
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