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第14話 R18

ガチャリ。  部屋ヘ入ると、ダウナーな曲が流れ照明がダウンライトだけになっている。  ベッドの上に文也は座っていて、僕が部屋へ入ると一度顔だけこっちへ向けて直ぐにフイと反らしてしまう。  僕は文也に近付くためにベッドにギシリと上がると、両手を広げて文也を抱き締めた。  お互い言葉を発する事は無く、抱き締めた腕を緩めて顔を近付けると、口を開いて舌を伸ばしている文也の口腔内へと僕も舌を伸ばす。  クチュクチュと水音を鳴らして深く口付けていると、ボクサーだけ履いた状態の僕の体の上を滑るように文也の手が滑る。  「フ……ンッ、ハ、ァ……ッ」  なぞるように滑っていた手が、意思を持って僕の乳首へと伸びると、触られている気持ち良さに立ち上がった突起を両方の親指で優しく潰される。  「ンッ……クゥ……」  恥ずかしさに声を抑えている僕に、唇を離した文也が  「オイ、ここはお前の家じゃ無いだろ?聞かせろ」  と、言う。  僕は戸惑いながらも、文也が言うように素直に声を上げていく。  親指で潰すように愛撫していた指先は、人差し指と中指で挟むようにすると、親指の爪先でカリカリと弄られ僕は息を飲む。だが、それを文也が許す筈も無く、僕は  「あッ……、気持ち……、良い……ッ」  「ン、そうだな」  素直に言った僕に満足気な返事が返ってきて、僕は堪らずに文也の口を塞ぐ。  「ンッ、ンぁ……、フッ…………、ンンッ」  舌を絡ませ、文也の舌が上顎をコショコショと舌先で撫でれば、鼻から甘い吐息が漏れて僕はギュッと文也の肩に力を入れると、ググッと文也が僕に体重を掛けてきてそのまま後ろへと倒れる。  僕は肩に置いていた手を移動して文也の着ている服を掴み下からグイグイと上へとあげて脱がそうとすると、キスをしていた文也が楽しそうにフフッと微かに笑い、一度僕から離れる。  そのままバサリッと首から服を引き抜いて露わになった文也の裸体にゾクンと欲情してしまう。  文也は僕が履いているボクサーに手を掛けるとズルッと下におろそうとするので、僕も無言で腰を持ち上げるとそのままボクサーを脚から剥ぎ取られ、既に勃ち上がったモノを握られる。  「ンぅッ……、アッ、ゥ……」  竿を扱き上げられ、もう片方の手の平に唾液をまぶしてそれを亀頭に擦り付けるようにあてがうと、クルクルと捏ねくるようにされてビクンッと腰が跳ねる。  「ア゛、……それッ……」  「気持ち良いだろ?」  「ンぅ~~……ッ、ア゛、気持ち、良い゛ッ」  ぬるついた手の平で鈴口を刺激され、カクカクと腰が無意識に浮いてしまう。  竿を上下に扱いていた手が、一度離れて枕元にあったジェルを掴むとパチリと蓋を開ける音が微かにして、次いでは僕のモノへとトロトロとかけられる。  鈴口を愛撫していた手はカリ部分へと移動していて、流れ落ちてくるジェルを指先が受け止めるとジェルの粘着質を受け止め、ぬるついた感触と共にカリや亀頭を重点的に扱かれる。だが、まだジェルはそのまま垂らされていて、指先で受け止められなかったものがツッ~……と竿から玉、そうして臀部の間を通って蕾へと垂れていく。  「ハァッ……、文也……駄目、だ…ッそれ以上したら……ッ」  達してしまう……。  言わなくてもその続きは僕の反応を見れば一目瞭然で……。文也は、僕に言わせる前に追い上げるように握っていた指に力を入れる。  「あ゛ッ、……イ゛ク……、イッ……クゥッ!」  「イケよ」  呟いた文也の言葉を聞いた途端、僕はガクガクと腰を震わせて勢い良く白濁を飛ばす。  下腹に溜まっていた熱が吐き出される快感に脚先まで力が入っていたが、白濁を吐き出すと同時にゆっくりと弛緩され、ブルブルと快感の名残で太腿が痙攣している。  ハァ、ハァ。と荒い息を吐き出して少しボゥッとしている僕の蕾にニュググッと二本文也の指が挿入してくる。  「……ン、ィッ……あ、ア゛~~~ッ」  入ってきた指はゆっくりと中を広げるように動き始め、僕の弱いか所で止まるとコリッとしている上部分を指先で押し付けるようにグイグイと指を曲げてくるから、僕は喉を仰け反らしてハクハクと空気を噛む。  「晴人、息しろ」  ブルブルと震えている僕の頬に腕を伸ばして指先が触れると、僕はヒュッと勢い良く息を吸い込む。その反動で蕾がキュウッと窄まり文也の指を締め付けると、途端に押されているか所がグニィッと更に指を押し付ける形になってしまい……  「ン゛ッ、~~~~ッッ!グゥぅッ……」  先程よりも強い快感に背中をしならせ、痙攣していた太腿がガクガクと小刻みに上下する。  「もう一本増やすからな……」  文也は苦しそうに呟くと、入れていた指に沿わせるようにもう一本指を内壁へと入れ込み、寝かせていた指を縦向きへと変えて限界まで指を奥へと差し入れる。そうすると前立腺よりも更に奥へと指が収まり内壁の襞へと指先があたる。  「ア……、な、に……ッ?」  そんなに指を奥まで入れてどうするのか?と顔を文也の方へと向けた刹那。  「んッ、グウぅ~~ッ!!ア゛ッ、ィ゛あ゛……ッ」  縦向きにした指が薬指、中指、人差し指と波打つように動き、襞を叩くように愛撫し始めた。その動きが強く、目の前でヂカヂカと星が飛ぶような快感に僕は奥歯を噛み締める。  「イ゛~~~ッ!!!アッ、ぁ゛~~~ッ」  「気持ち良いか?」  指で叩かれる度に尿意に似た感覚が襲って、僕は広げていた両足を無意識に閉じて、膝を擦り合わせてしまう。だが、その行為は文也にとっては邪魔なようで、彼は擦り合わせた膝裏に僕の竿を握っていた手を離し差し込むと、グイッと上に持ち上げた。  「や……、だ、ぁ……ッ、ソコ……そんな、にッ……しな……でぇ……ッ」  「嫌?めっちゃ良さ気な顔してるけど?」  「ンンッ、イ゛~~ッ!」  達したばかりの僕のモノは自分の腹の上でクタリとなっているのに、文也の指が襞を強めに掻く度に腹の奥から得も言われない快感が湧き上がり、僕は少しの恐怖にギュッと両手でシーツを握り締める。  「ア゛~~ッ、ぁ、あ゛ッ……」  「晴人、気持ち良いって言え」  「……ッ、ンァ……、持ち……良いッ、ぎ……持ち゛……ッい゛……ッ」  「ン、そうだ……気持ち良いな?」  文也に促されるまま気持ち良いと言ってしまうと、不思議と恐怖よりも快感を追う形になる。  「あ゛ッ、あ゛ッ、……、イ゛~~~ッ!……ッ、イ゛クッ……でちゃ……」  精液を出すというよりも、尿意でヒクヒクとお腹が波打つ感覚に僕はゾッとし、文也の手を止めてもらおうとシーツから手を離して、グイッと押されている両足を微かに広げその間に震える指先を伸ばそうとしたが、僕の動作の意図を先に解った文也は一層強く指を襞に叩き付けてきたから……  「ヒィ゛ッ!ァ゛…………ッ、ア゛~~~~……」  クタリとなった僕のモノからプシッ、ビュククッ、と溢れるように漏れ出た透明な液体は、臍へと散って重力に逆らわないまま脇腹を伝いベッドへと染み込んでいく。  「ハヒッ、ハァ゛ッ、ハ、ァ……ア゛ッ………、ンぅう゛……」  漏らしてしまった事実に罪悪感はあるものの、それを上回る気持ち良さに頭が真っ白になり、荒い息だけの呼吸を繰り返す。  「潮吹くとか………ッ」  ゆっくりと僕の中から指を引き抜きながらボソリと呟いた文也の台詞に、鈍い思考で潮?と思うが、それも直ぐにニュググッと入ってきた文也のモノの感覚にかき消される。  「あ゛?……、ァ~~ッ」  さんざ中を愛撫され敏感になっている内壁に、張り出したカリ部分がやけにリアルに感じて僕は喉を仰け反らせる。  「………ッ、キッツ……」  呻くように息を吐き出しながら呟く文也に、僕はギュッと閉じていた目を薄く開くと、そこには苦しそうな、けれど快感に顔を上気させている表情があり、僕でこんな顔をしているのかと思ってしまったらガクガクと気持ち良さに全身が震える。  「は……、アッ……めっちゃ、しゃぶってくるじゃん……ッ?」  挿入してから馴染むまで動かずにいてくれていた文也だが、僕が快感に体を震わせているとニヤリと口元を歪めてそう言い、腰を緩く振り始める。  「アッ、……ァ、そこッ……気持ち、良い……」  「好きなトコ?」  張ったカリで前立腺を引っ掛けるように浅く腰を動かす文也は、意地悪そうにそう僕に聞いてくる。……知っているからこそ、そこを重点的に責め立てているくせに……。  「………ッ、好き……、ソコ、好……ぎィッ」  トントンとリズム良く執拗に切っ先で愛撫され、僕は文也に触れたくて両手を伸ばすと微かにフッと笑った気配だけして、次いでは僕の上に文也が覆い被さってくる。  僕の顔の両脇に文也の腕がある。それに僕は自分の手を絡めて掴むと、近付いてきた事で浅く抉っていたモノは先程と同じ襞があるか所へと侵入し、更にはその奥へといこうとしている。  「アァ゛ッ……、文、也っ……ふみ………ッ」  もうこれ以上奥へは無理だと名前を呼ぶと、勢い良くカプリと口を塞がれてしまい僕の音はくぐもって消えてしまった。  そうして何も出来ないまま文也の怒張がグググッとゆっくりとだが確実に入っては駄目なところまで侵入してくる。  「ングぅっ………ッ、ぁ゛ぁ、ンフッ……ン゛ッ、ンン゛ッ……」  喘ぎで母音を発する時に、口が開いて少し声を出せるが直ぐに追ってきた文也の唇で塞がれて鼻から吐息が漏れてしまう。  蕩けきった内壁は、誰も入れた事の無いところまで侵入してくるモノを食い締め、チュッチュッと文也の先端にキスをするように震えていると  「はぁ、ぁ……ッ晴人……入れさせて……」  離れた唇が懇願するように耳元で囁く。  切羽詰まった声音に耳から僕の全身にビリビリと甘い電流が流れ、ハァ、ァッ。と溜め息が気持ち良さに漏れ出た瞬間にグプンッと切っ先が壁を掻き分けて侵入した。  「ア゛ッッ!~~~~~~~ッ!!」  腰から脳天まで貫かれたような快感が襲いピンッと両脚が爪先まで伸び、次いではガクガクと太腿や膝裏が笑ったように震え出すと、僕は背中をしならせて中でイッてしまう。  「ぐ………ッぅ……」  直後に、文也のモノをしゃぶるように締め付けてしまって、上から堪えるようにくぐもった喘ぎが聞こえてくる。  中で文也のモノもビクビクと上下に痙攣し限界が近いのだと解る。だが馴染むまで待つのではなく、腰を振り始めたから僕はガチガチと歯を鳴らして再び強烈な快感を味わう事になってしまった。  壁に引っ掛かりながら切っ先がそれを擦って出入りする度に、ギュプッ、グチッと鈍い水音が耳に届きその音にさえも僕は煽られ、掴んだ腕に爪を立ててしまう。  「イ゛ッ、ぎィ……、ずっと……ッイッ、でるッ!ふみ……ッぁ゛イ゛ッ!」  「はぁッ……、ハッ……ヤバっ、イキ、そ」  「ンぅう゛ッ……イッて……ふみ…ッ」  「ッ……ぁ~~、晴…ッ、イクッ」  「文、也ぁッ……イクッ、イ゛、グッ……、イ゛ッ、~~~~~ッッ!!」  うわ言のようにお互いに呼び合い、文也は徐々に腰の動きを早くしていたが、一度叩き付けるように奥へと腰を打ち付けると、そのまま一度硬直しブルッと体を震わせて僕の中で爆ぜた。           ◇    「おかえりなさい」  「あぁ………」  玄関先まで出迎えに来てくれた茉優ちゃんに、文也が気まずそうに返事を返している。  あの後、僕はタップリと文也に可愛がられ、ようやく帰還する事が出来た。  事が終わってベッドから立ち上がろうにも、足腰に力が入らず、プルプルと小刻みに痙攣する足を見て、文也が風呂場まで肩を貸してくれた。  その後は、泊まらせる気満々の文也を説得して、茉優ちゃんが待っているからとこちらに帰ってきたのだ。  僕があまりにもフラフラと歩くものだから、帰りは文也の車に乗って帰宅。  家から近いコインパーキングに車を停めて、家までは文也に肩を貸してもらって……。  「話、できたんだね!」  僕の顔を見て、茉優ちゃんは嬉しそうに微笑んでいるが、僕は苦笑いを浮かべるしかない。  ダイニングまでフラフラとしてしまう足に気合を入れ、何とかソファーに腰を下ろすと  「何だか、フラフラしてる………」  ボソリと隣で呟いた茉優ちゃんの台詞に、僕はビクリッと肩を震わせ、ギギギ……と茉優ちゃんへ視線を泳がすと、茶目っ気いっぱいにウインクしている彼女の顔がある。  そんな彼女を見て、文也が堪らずといった感じで吹き出してしまう。  「お前の彼女………、一番強いかもな」  「え?今気づいたの?」  楽しそうに会話を繰り広げる二人に、僕は首まで真っ赤になっていると自覚しながら  「茉優ちゃんも……、ありがとう」  ボソリと呟いた僕の横に彼女も座ると、両手を広げて僕にハグをする。  「良かったね、晴君」  「あ!」  そんな僕達を見ながら、文也も声を荒らげながら僕を中心にソファーにギチギチに座ると、僕、茉優ちゃんの上から覆い被さる。  「二人でイチャイチャすんな、俺も混ぜろ!」  笑いながら文也もギュッと力を入れるので  「イヤイヤイヤ、苦しいって!」  僕は中から、くぐもった声を上げる。  「アハハハッ」  楽しそうに茉優ちゃんの笑い声も重なり、ひとしきり団子になった俺達は、三人には狭いソファーに落ち着いて、話をしている。  「あ~~……、なぁ、ここって更新いつなんだ?」  ふと文也が呟く。  「え?………いつだっけ?来月、再来月?」  「もう、そんなになるっけ?どした?」  茉優ちゃんと二人で、いつ頃更新なのか思い出していると  「イヤ、晴人のせいで俺、多分引っ越しだから………」  「え?晴君のせいで………?」  誤解を生みそうな文也の台詞に俺は慌てて、茉優ちゃんに両手をブンブンと振る。  「イヤ、僕のせいだけど……、違うから!」  「お前が悪いんだろ~」  「え………、そんなに晴君、声がヤバい………」  「茉優ちゃん!違うから!それじゃ無いから!!」  やはり変な誤解をしている彼女に、僕は全力で違うと、訴えかける。  そんな僕を肩を揺らしながらクツクツ笑っている文也は、自宅から持って来た鞄を何やらゴソゴソとしている。  「これ、三人で住める家探してるから、また二人で見といてよ」  賃貸の雑誌には付箋が付いていて、おもむろに言われた僕達は一瞬、固まってしまう。  「何だよ、もしかして今のままで良いとか思ってんじゃねーよな?俺は嫌だからな」  僕と茉優ちゃんは、お互いの顔を見合わせる。  絡んだ瞳同士は、嬉しさで揺れている。  ほぼ同時に文也を見ると  「「アハハハッ!」」  僕と彼女は笑い出す。  そんな僕達に驚いたのか、今度は文也が固まり  「イヤ、意味不なんだけど?」  呆れながら溜め息をついている文也に、僕はハグをすると、茉優ちゃんも僕の上に覆い被さり  「「最高!!」」  同時に叫んだ途端に、隣からドンっと壁を叩かれて、三人で固まってしまった。

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