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第26話

シンは次の日、駅まで送ろうとしたけど断った。 もう少し1人になりたかったから。 シンは大人しく引き下がった。 もう2日程で週末だからオレの元へ帰るというのもあったのだと思う。 バス停まではついてきたシンを学校へ戻らせようとすると、シンがオレにそっと触れた。 頬を優しく撫でるように。 オレは思わず震えてしまった。 シンがオレにしたことを思い出して。 シンは低く耳元で笑ってオレを優しく抱きしめた。 また身体が震えてしまう。 シンの体温に反応して あんなの、忘れられるはずがない。 あんなとこまで舐められて。 舐められるだけでイった、あの感覚を忘れられるはずかない。 シンの体温とか、シンの匂いとか。 舐められ綻ぶそこの感覚とか。 「オレがいない夜は思い出して自分でしてね」 シンの囁きはいやらしかった。 コイツ・・・13歳なんだぞ。 アルファ怖い・・・。 バス停に他に誰も居ないからよかったけど。 真っ赤になったオレにシンはまた顔を崩せるだけ崩す。 「キョウちゃん本当に可愛い。早く帰りたい。キョウちゃんを沢山可愛がりたい」 シンは器用に着ていたジャケットのボタンを外し、あっという間にシャツの上からオレの乳首を捉えてしまう。 指で摘まれ、昨夜弄られすぎて腫れたそこが痛んだ。 でも。 はうっ 声が漏れた。 なんか、ずくん、としたのだ。 「ここも覚えようね?オレがキョウちゃんを変えてあげる」 シンはまた囁き、指をまた挟んで擦り合わせる。 痛いのに。 痛いはずなのに。 ひぅっ 零れる声が自分のモノではないようだった。 「帰らせたくねーな」 シンは悔しそうに言った。 甘く潰され、ひくんと身体がまた震えた。 口を押さえて声を殺す。 止めて欲しくて涙ぐんでシンを見上げたら、シンが真剣な目でオレをみていた。 もう笑ってなくて。 怖いくらい真面目な顔で。 「離れないから。絶対。キョウちゃん、愛してる」 その声が震えているのに気付いた。 シンは怖いと少し声に出る。 小さい時からそうだった。 シンの方がオレより怖がっている。 オレたちのこれからを。 でも。 オレももうシンを手放せないとわかってしまった。 「帰ってくるの待ってる」 でも。 オレにはそう言うのがやっとで。 でも。 そんな言葉にシンは狂喜乱舞して、オレはバスが来るまでずっとシンからキスをされ続けたのだった。 それは貪られる大人のキスで。 酸素不足で朦朧としたまま、バスに乗る羽目になってしまったのだった。

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