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第27話
シンが帰って来るまでの数日はなんかもう、ぼんやりしたり、思い出して叫びたくなったり、なんか、なんか、もうたいへんだった。
そして夜。
誰もいない家で一人眠る時。
オレは自分を慰めてしまった。
どうしても忘れられなくて。
シンにされたことが。
ヘソを撫でてそこに指を入れながら、いつもならペニスに向かう指を、シンに弄られまだ腫れぼったい乳首へとむかわせてしまった。
痛いと分かっているのに摘んだ。
ここを弄った時のシンの熱っぽい目が思い出されて、ずくんとペニスが痛む。
まだ熱っぽいそこをシンにされたみたいこすり合わせた。
ああっ
ああっ
声が出てしまった。
痛みと、熱と。でもそれだけではない感覚。
それはもうたしかだった
シンは変えたのだ。
オレの身体を。
「シン・・・シン!!」
オレは名前を呼んでいた。
こんなの。
想定してなかった。
混乱して、でも、乳首を弄った。
初めてオナニーをした時にペニスをいじらずにはいられなかったみたいに。
あっ
はあっ
ペニスを擦りながら、熱をもった乳首も指でこすり合わせるのは信じられない位気持ち良かった
気持ちいい
声にしてしまって、混乱する。
でもシンの唇がここを吸って舐めたことを思い出した。
思い出された感覚だけで、ペニスがはれつしそうになる。
指を舐めて濡らし、乳首の周りを撫ぜた。
シンの舌を思い出しながら。
「シン・・・シン・・・シン!!!」
名前を叫んでしまった。
乳首を指でなぞり、ペニスを扱きオレは達した。
気持ち良かったのに、物足りない。
こんなの、オナニーした時に感じたことがなかった。
シンが足りない。
シンの体温がたりない。
シンの濡れた舌も。
淫らに動く指も。
オレに押し付けてくる、あの硬くて熱いペニスも。
オレはまた、始めてしまった。
今度は濡らし指て後ろの穴を撫でながらペニスを扱いた。
ここを舐められ、それだけでイったことを思い出してしまいながら。
あんなに恥ずかしかったのに、なのに、それを思い出してしまってる。
「キョウちゃん、可愛い・・・」
シンの声が耳に残ってて、それで射精した。
オレは怖くなってしまった。
セックス、セックスなのか?最後までしてないけど。
してる時に翻弄されてしまうのは仕方ない。
アルファやオメガがセックスでベータを翻弄するのは当然だ。
だけど。
触れられてもないのに、身体が忘れられないって何。
こんなのおかしい
おかしいよ。
オレは怯えた。
アルファやオメガとセックスするって、こういうことなのか?
それは。
どういう意味なんだ?
オレは怖くなってしまった。
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