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第32話

指で穴をなぞられた。 そこの上を擦られることで感じる気持ち良さはもう教えこまれていた。 シンの指や性器、それに舌で散々教えこまれたからだ。 「ゆっくり広げてあげるつもりだったけど。キョウちゃんを逃がすわけにはいかないから・・・」 シンの言葉にまた怖くなって身体を捩る。 逃げれるわけがないのに、シンの身体の下から這い出ようとした。 「そんなことしたって可愛いだけだよ、キョウちゃん」 片手でまたシンの身体の下に引き戻されてしまう。 うつ伏せになったせいで、シンにそこをさらけだすような体勢になってしまっていた。 「ここ舐められてイったよね?キョウちゃん。あの時めちゃくちゃ可愛いかった」 シンはうっとりと穴を指で確かめるようになぞりながら言う。 その指の執拗さと、そうされる気持ち良さに怯えて、オレはまた泣く。 「逃げたりしなかったら、こんなことしなかったのに。もっとゆっくり優しく教えてあげたのに。オレから逃げるなんて酷いよ、キョウちゃん 」 シンが怒ったように言う。 その通りだった。 オレだけはシンから逃げてはいけなかった。 「だから今日は最後までする。絶対にする」 シンの言葉はまるで刑の宣告で。 オレはまた怯えて泣いてしまった。 シンのはデカくて。 アルファのモノらしく形状がオレ達ベータのものとは違ってて。 根元にコブがあり、 挿れてしまったならアルファが射精するまで抜けないモノだと知っていたからだ。 「泣いてもだめ。逃げたでしょ。これ挿れて、めちゃくちゃ感じてもう引き返せないようになろうね。そうしたらもう、逃げたいなんて思わないから」 シンが穴にその硬くて熱いのを擦り付けてきて。 先が濡れてて、穴をほじるように動くから、グリグリするから。 穴がジンジンしてきてしまって、オレの尻が揺れてしまう。 「穴擦られてたり舐められたりしただけでももうイけるんだよ、キョウちゃんは。中擦られたらどうなるんだろうね」 シンの言葉か本当に怖くてたまらない。 またシンの身体の下から這い出ようとした。 シンは今度は目を細めてそれを見てて、オレを止めようとはしない。 だけど、あと少しというところで脚を捕まれ、引き戻される。 もがくオレを楽しむようにシンが背後から抱きしめ、尻の穴の上で、ゴリゴリとペニスを擦り始めた。 「ゴリゴリしていてあげる。キョウちゃん、もうこれ好きだもんね」 シンの声が届く。 好きじゃな、い。 そう言ったが無視され、尻だけをおさえつけられ、尻の狭間に挟むようにぺニスを擦られていく。 ゴリゴリ ゴリゴリ 擦られる。 シンの熱いソレでそこを擦られる感触は独特で。 痛痒いような、むず痒いような、でも、穴が熱を持ち、そう、穴の中、腹の奥が疼く、この感覚が怖くて。 「お尻振っちゃって。ほんと可愛い」 シンがうっとり言うことは本当で。 オレはシンの与えるその感覚を貪っていることに気づいていた。 逃げるための腕も脚も、今はシーツをつかんで、脚を突っばり、感じるために使っている。 「気持ち良いねぇ、キョウちゃん」 優しく囁かれて、オレは泣くしかない ああっ ああっ ひいっ やだぁ だめぇ ゆるしてぇ オレは懇願しているのに 「うんうん。穴擦られるの気持ちいいねぇ、よかったねぇ、キョウちゃん」 シンの言葉は優しくオレを無視して、腰は淫らにオレのそこをペニスで擦るのだ。 お願いいいい オレは必死で頼んだのに、 「イって」 シンに命じられたなら、オレの身体はそれに従ったのだ。 オレの意志を無視して。 いやぁぁぁぁぁあ 拒否しながらイキつづけていた オレは自分の身体に絶望した。 オレの身体は。 オレよりシンの望み通りになっていた。 「キョウちゃん・・・もう遅いんだよ。早く納得してね。納得するまでしようね」 シンの言葉が響いた。 オレは。 オレは。 またひとつ退路を絶たれたのだとわかった ゆっくりとした長い射精をしながら、泣き続け、快楽に焼かれていた。

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