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第34話

いやだ 止めて止めて やめてぇ オレは叫んだ。 穴のそこを太いシンの指で擦られた時の感覚は、これまでシンに教えこまれてきた快楽のどれとも違った。 そう、何となく穴の奥、腹の奥が疼くようなのはあっても、快楽の中心はそこはやはりペニスからで。 直接触られることがなくてもそこから快楽は生まれてきた。 でもこれは。 これは。 穴の中から鮮烈な感覚が脳を焼く。 快感というには強すぎて、喚くしかない。 何で、こんな、穴の中が感じるんだ。 「ここ?シンちゃんのいいとこ」 シンか嬉しそうに言った。 止めてと泣いてるのにやめるつもりは無いらしいのがわかつた。 指がトントンとそこを突いてくるからだ。 傷口に指を押し込まれるくらいの強烈さと、でも痛みではない、それより怖い感覚にオレは悲鳴を上げて背中をそらし、踵まであげてまるでブリッジするかのように反り返る。 良くない 良くない やめてぇ オレは泣く。 また逃げようとする。 逃げようとする度にそこを指で捏ねられ、疲れ、押される。 いやぁ むりぃ だめぇ 必死で腕を振り回し、シンを押し返そうとし、脚で蹴り飛ばそうとさえした。 でもシンがそこを指でいじめ始めると、ただ痙攣して、喚くだけになる。 「すっげー感度・・・たまんないな。めちゃくちゃ可愛い・・・もっと泣かせたい・・・ここまでエロいなんて」 シンはうっとりとオレを見つめていた。 指をやっと止めてくれたから、オレはシンへ手を伸ばして助けを乞う。 オレに酷いことしてるのはシンだけど、オレが助けを求めるのもシンだけだから。 シンは穴に入れていない方の手で、オレの手を取ると、オレの手を自分の頬に寄せて頬ずりした。 愛しくてたまらないかのように。 その優しい姿に、ここまで責められていても胸が痛むほど愛しく思ってしまう でも。 シンは許してくれる気はなかった。 「まあ、もうイキ続けてるようなもんだけと、まだイケるよね。この穴だけでイってみようね・・・もうここ、女の子だよ」 シンは獰猛な目をして言った。 もういやぁ!! オレは泣いたのに。 シンの指は執拗にそこを苛めて苛めて苛めて。 オレは何度も何度も痙攣した後、それが止まらなくなるような大きな波に飲み込まれた。 いやダメだめだめひいいいシンシンシン、シン!! ゆるしてぇおねがいだめぇもうむり、むりり!! ひいいいい、ひうっ、いやぁああああああああぁぁぁ 懇願し哀願し謝り赦しを求めた。 だけどそれは与えられず オレは波に叩きつけられ、溺れ、息も出来ず、壊されていき、燃やされた。 放出するような知ってる快楽ではなく、身体の中に引き込まれるような、中から捻れて壊れて、崩れて溶けてぐちゃぐちゃになるような、身体をミンチにされるような快楽だった。 いや、快楽というには オレは殺されたのだ それは小さな死だった。 「スゴイ・・・マジエロい指だけでこれかよ・・・ヤバい・・・本当にヤバい」 シンが呻いていたが、もうオレはヒクヒクと痙攣するだけの肉塊になっていた。 「ダメだ、殺しちまう・・・これじゃ殺しちゃう」 シンが苦しそうに呻いた。 シンの声が苦しそうだったから。 オレは目を開けた。 シンが苦しんでいた。 シンはオレの尻に擦り付けて1度イっただけで、もうぬるぬるとペニスを光らせ、硬く勃起させたままだったし、それが辛いのはオレにでも分かった。 オレを何度もイカせても、シンは耐えてるわけだし。 確かにオレも死ぬような思いはしてるけど。 アルファの強い性衝動を堪えるのは、とても辛いことだとユキ先生が言ってた アルファを本当に受け入れられるのは。 オメガだけ。 オレは。 シンを我慢させてるだけ 確かにオレはシンにめちゃくちゃ翻弄されてるけど、シンもオレを殺さないように抱かないといけない。 アルファが本気で抱けばベータ等死んでしまうからだ。 我慢を強いているのだ。 「シン・・・」 オレは辛くなってシンに手を伸ばす。 「キョウちゃん・・・大丈夫。絶対殺したりしないから。思ってた以上にキョウちゃんが可愛すぎて・・・でも大丈夫だから」 シンが笑う。 歯を食いしばりながら笑う。 だから辛いのだとわかってしまう。 そんな、そんな、と思う そんな辛いのに耐えてるのか? そんなに辛いのにオレがいいの? 「絶対に・・・絶対に殺したりなんか・・・するものか!!」 シンは言う。 オメガが相手だったなら、そんな我慢なんか要らないのに。 それなのにオレがいいの? オレは。 オレは。 今わかった。 オレが怖いようにシンも怖い。 オレはアルファのシンに限界以上の快楽を与えられるのが怖くて。 シンはやりすぎてオレを殺してしまうのが怖い。 それでもオレたちは互いを諦められないんだって。 諦められないんだ。 アルファだろうとベータだろうと。 「シン・・・」 オレはシンを見上げる。 我慢してでもオレが欲しい、オレの男を。 オレだけを愛してる男を。 シンは13歳だ。 だが、シンは本気で一生オレを選ぶと決めたのだ。 アルファがオメガではなくベータを選んだのだ。 シンにとってオレとのセックスはオレを気持ち良くさせるためのもので、シンが満足するものじゃない。 だからこそ、シンはオレをどこまでも気持ち良くさせようとするのだ。 シンにとってのオレとのセックスはそういうこと。 そういうオレをえらんだのだ。 欲望を決して満足させられない、ベータのオレ。 オレを。 「キョウちゃん・・・何?もう落ち着いたから大丈夫。もっと気持ち良くしてあげるからね」 シンは確かにさっきよりは冷静になって言った。 オレは。 やっと。 ここにきてやっと。 覚悟を決めた。 「・・・殺してもいいから」 オレは言った。 本気だった。 もし、シンが加減が出来なくなって、オレを殺してしまったとしても。 シンならいいや、と。 シンが与えてくる快楽は怖いし、オレはこれに慣れるとは思えない。 オレは何度も今日みたいにされてる途中で逃げようとするだろう。 でも。 でも。 間違えて殺してしまってもよい。 シンならいい。 「シンに殺されるならいいよ」 オレは笑顔で言った。 言えたはずた。 シンは目を見張り、オレをみつめ、固まり。 そして、頭を抱え叫んだ。 「どうしてこういう時にそういうこと言うかな!!キョウちゃんは!!」 何故かガチキレていて、ペニスの先からまたヌラヌラ濡らしてて。 「せっかく!!せっかく!!落ち着かせてんのに!!!ああクソ!!可愛いなぁ!!!クソ!!!めちゃくちゃ愛してるよ!!!」 言葉は愛を叫んでるのに、シンのこの叫びは獣のようだった。

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