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第35話

「クッソ可愛い。マジ可愛い。可愛い。可愛い。可愛いすぎるだろ」 シンがうなりながらオレに覆いかぶさってくる。 両足を広げて肩に担がれ身体をくの字に曲げられた。 もうピクピク自分から口を開けてるそこに、シンの大きいのが当てられ、オレはやはり怖くなる。 殺されるのは良いんだ。 でも、コレは怖い。 怖い。 ぐちゃぐちゃにされんのが怖い。 「殺さねぇよ。愛してる。だからキスして。でもぐちゃぐちゃにして、2度とオレからは離れられなくするから」 愛の言葉と脅しの両方をシンが囁く。 それでもオレは自分から腕を伸ばし、シンを引き寄せキスした。 チュッと唇を重ねると、自分から舌を出しシンの唇の中へ差し込み、シンの舌に絡めて味わった。 オレの男。 オレのアルファ。 シンがアルファだろうがベータだろうがオメガだろうがオレは愛しただろう。 でもシンはアルファだ。 アルファのシンを愛してる。 シンは嬉しそうにオレの他愛のないキスを受ける。 快楽じゃないのがわかる。 オレ達のセックスはそれ以上のものだ。 シンには物足りない、我慢を強いるモノであっても。 オレには耐え難いモノであっても。 それでもオレ達はセックスする。 何故なら、愛しているからだ。 もつれ合う舌と重なる唇が離れた。 キスは単なる行為じゃない。 オレ達のセックスもそうだ。 「キョウちゃん。・・・殺さないからね」 シンは唸りながら言うと、オレのそこにゆっくりと大きなソレをねじ込んできた。 オレは引き裂かれ悲鳴をあげる。 痛い痛い 抜いて 泣いてしまうし、そう言ってしまうのは仕方ない。 でも、これで死んだとしても、オレがシンを恨むことなどなにもない。 「抜かない。全部は挿れないから・・・」 シンも耐えるように言う。 喰らい尽くしたいアルファの衝動と戦っているのだ。 オメガ相手ならいくらでもそれを発散できるのに。 痛いっ ああっ オレは痛みに泣きながら、シンは衝動をこらえながら、それでもオレ達はセックスをする。 それは灼熱の杭をねじ込まれるようなもの。 悲鳴を上げ、それでもオレが縋り付くのはオレを引き裂く愛しい男なのだ。 今は快楽などどこにもなかった。 あれほど欲しがってた中は悲鳴をあげている。 デカすぎるのだ。 「キョウちゃんの中だ。狭くて暖かい・・・」 それでもシンが嬉しそうに言うから。 オレは言った 「ごめん、ね。・・・我慢・・・させて・・・オメガじゃなくて・・・ごめん」 オレの言葉にシンが顔を歪めたのは耐えてるからだけじゃない。 「我慢じゃねぇよ・・・キョウちゃん・・・キョウちゃんじゃなきゃ・・・オレ、オレだめなんだ」 シンのその時の顔は初めて会った時の幼い幼児のモノだった。 「オレはごめんなんて言わないからな。オレはオレが何であろうとキョウちゃんを離したりしない!!!」 シンの言葉はオレを閉じ込める檻で。 でもそれがオレには嬉しかった オレ達は最初から部屋に閉じ込められた子供で。 もうその部屋から出たいとも思わない。 あの部屋の中こそが、オレ達の天国だったのだ。 「おいで、シン」 オレは唇を噛み耐えながら言った。 シンを受け入れ、そして閉じ込めるために。 手放せないのは。 オレも同じだった

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