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第45話
オメガはオレを連れていったのは、シンに見つからないようにだろう、関係者以外の立ち入り禁止、と書いてあるドアの先だった。
そこは倉庫だった。
掃除用具や椅子等が詰め込まれていた。
オレはオメガと立ったまま狭いスペースで向いあう。
オメガはオレより一回り小さくて、細くて、とてもきれいだった。
まだ子供だったのにめちゃくちゃやらしかったあの身体を思い出してしまい、思わず唾を飲み込んでしまう。
「・・・何おもいだしてんの」
オメガの目が冷ややかだ。
いや、本当に。
すみません。
オレは激しい嫉妬と、悲しみと、それとこのオメガへの欲情でドロドロになったあの日のことをおもいだしてしまったが、被害者である彼には忘れて欲しいことだろう。
「あの、あの時はごめんなさい。謝ってすむものじゃないけど、ごめんなさい」
オレは謝った。
そして同時にシンにとことん「もうキョウちゃんの身体は女の子と同じだから」と囁かれて、穴でばかりイカされてきたせいで、なんかもう自分はもう女の子やオメガには興味無いんだと思ってたけど、やはり元々オレは女の子とかが好きだったんだな、と再認識した。
「可愛い、ここでそんなに感じるの?もう女の子だね」そうシンに囁かれながら日々乳首や穴を開発され続けて、基本後ろだけで、しかも射精しないでイクようにしつけられてしまってるため、自分でももう、抱かれるだけにしか興味が無くなったんだと思ってた。
だけど、さすがオメガ。
間近で見つめられるとやっぱりドキドキしてしまう。
信じられないくらい綺麗で。
エロい。
本当にドキドキする。
でも、もうシン以外とすることは無いんだけど。
「・・.・まあ、いいんだ。あの学園はめちゃくちゃだからああいうことは良くあったし、僕はまだマシな方。アルファのめちゃくちゃにオメガが振り回されるのはいつものことだからね」
オメガは諦めたように言った。
人前で全裸でイカされるがマシな方?
アルファ達は何してんだろう?
オメガ、可哀想すぎるだろ。
オレはドン引きする。
「マトモ、なベータなんだね」
ジロジロオレを見ながらオメガが言った。
マトモ、だとは思います。
多分。
アルファに「女の子」にされてしまっていますが。
「アルファと付き合うようなベータはイカレてるのが多いから。アルファに頭の中までぐちゃぐちゃにされて、もう廃人みたいにされて飼われているような」
オメガの言葉に背筋に寒気は走る。
そう。
それに近い状態ではある。
麻薬のようなセックスに身体の芯まで犯されているのだから。
でも。
シンはそんなことしない。
したいのだろうけど、我慢しているのは分かっている。
壊したくないのだ。オレを。
「あんた、良い人みたいだから教えてあげる。アルファの中でもシンは最悪だよ。アルファはまあ、大概が大概な奴らだけど、シンはその中でも最悪」
何かオメガがとんでもないことを言い出した。
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