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第56話
【シン】
「今日は優しくしてやらないよ」
オレはユキ先生に言った。
月に1度、先生を優しく抱くのが先生との【契約】にあるのだ。
アルファとオメガのセックスでは無いかのように、優しく優しく先生をオレはそのときは抱く。
その時が一番先生は乱れて、誰かの名前を呼びながら一番狂う。
先生は 目を瞑り全身でオレの身体を感じながら、驚く程淫靡に腰を振り、オレの身体を欲しがり、オレの全身にキスして舌を這わす。
痕をつけるのだけは駄目にしてるが、その日のユキ先生は本当に何でもする。
夢中で自分からペニスをしゃぶり、オレの足の指までしゃぶる。
アルファなら、こんなにオメガに求められたならそれだけで落ちてしまうだろう。
オレはまあ、せっかくなのでその時はその時でエロさはそれはそれでたのしむが、別にこれは要らない。
オレがオメガの先生に求めているのはそういうのじゃないから。
だから、約束通り1ヶ月に一度しか優しくしない。
どんなに先生がそれを欲しがっていても。
それにユキ先生は今は発情期のオメガだ。
どんなアルファだろうと、どう抱かれようと、悦んでしまう。
だから今日は好きなように先生を使った。
ぶち込んでひたすら犯す。
オナホみたいに。
そしてオレもアルファだから、フェロモンで強制発情させられないとしても、発情しているオメガの美味さを貪ってしまう。
今度は結腸を犯した。
キョウちゃんにはしない乱暴さで押し入り、そこで出し入れを楽しむ。
先生がのたうち回る度に、中が蠢きオレのペニスを欲しがり食べてくる
ひぅぅぅぅぅぅ
笛のような声を出して弓なりに仰け反り、先生が痙攣する。
締め付けられ、オレも声を出す。
そこででも出した。
子宮とは違う欲しがり方を楽しんだ。
ヒクヒクしている先生の乳首を齧る。
キョウちゃんにはしない乱暴さで。
歯を立ててめり込ませ、出した血をすする。
先生はそれに悦んで、まるでブリッチでもするかのように反り返ったまま痙攣してて、それがおかしくて笑った。
だが。
オレも止まらない。
長くしてなかった。
キョウちゃんに触れてもいない。
スキンシップ程度はしてるけど、キョウちゃんの可愛い唇を舐めてもいないし、吸ってもいないし、甘い舌を舌で絡めてやってもいない。
キョウちゃんの薄い儚い肌をそっと全身撫でて舐めてもいない。
可愛いと言うと怒るペニスを精液が水みたいになるまで飲んでやってもいない
オレのを挿れるだけでも張りつめる繊細なアナルを、舐めてやってもいないし、指で可愛がってもやってない。
ゆっくり挿れて、優しく動いて。
おかしくなって泣いてるキョウちゃんを宥めながら、慎重に慎重に深くまで入って。
そこでもキョウちゃんを優しく愛してあげる、あの充足感が長くない。
オメガ相手の飢えは単に身体の問題だ。
キョウちゃん相手に暴走してはいけないから飢えを解消しているだけだ。
ユキ先生はキョウちゃんにしてはいけなことをするためだけにいる。
なのにキョウちゃんの身体を可愛がってやれてない。
圧倒的にキョウちゃんが不足だった。
その苛立ちをユキ先生にぶつける。
先生をひっくり返して、腰を勝手に動かないように押さえつけながら、大きく深く抉る。
キョウちゃん相手だとこんなことはしない。
キョウちゃんが狂ってしまうが、身体が壊れないその範囲で気絶しないギリギリまで動くし、自分から揺れるようになつた尻の動きを堪能する。
動きながら、もうすっかり弱くなった背中を舐めて吸ったりして穴と同時にキョウちゃんが感じているのをいとおしむのだ。
「もうむりぃ」と泣いても、本当に無理になるまではそんなキョウちゃんを堪能するのだ。
キョウちゃんが足りない。
ガツガツと腰をぶつけながら、ユキ先生の孔を深く抉った。
これで肉体の飢えは満たされる。
空腹の獣のまま、キョウちゃんを抱くわけにはいかない。
万が一でもキョウちゃんを壊してしまうようなことはあってはいけないのだ。
孔を引き裂くように動く。
なのに孔は絡みついてくる。
それを貫く。
重く深く、何度でも突く。
その衝撃に身体がどんなに震えようと、頭まではねあげられようと。
オメガの身体はそんなものまで受け入れる。
快楽として。
いひぃ
ひいいぃ
汚い声で先生が叫ぶ
発情期の獣であるオメガは、オレ以上に欲望に汚くて醜悪で、でもだからこそ美味かった。
また出した。
出されたら悦び孔が絞ってくる。
そしてオレの身体も悦ぶ。
射精の快楽以上の、脳が与える達成感。
オメガだけにしか与えられない、アルファの充足。
今度は片足を掴んで先生を持ち上げながら、また乱暴に犯していく。
抉り壊し、そして満たす。
化け物のセックスで。
化け物だ。
化け物。
だけどオレは。
絶対にキョウちゃんを逃がさない。
どんなやり方であっても、だ。
ごめんね。
キョウちゃん。
化け物でごめんね。
オレはユキ先生の孔を楽しみながらそう思った。
キョウちゃん。
逃がさない。
絶対に。
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