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第62話

ミサキの身体はエロかった。 オメガらしく、しなやかで、長い手足も人形のようで。 正直、他のアルファから何かを奪ってやる、というのはアルファの本能的に興奮するんだな、と思った。 最も普通のアルファは他人のオメガに手を出さないが。 だって自分の番に執着しているからだし、他人の番は自分の番にならないからだ。 一番いらないオメガだ。 アルファは基本、自分のオメガを求めて、それ以外は欲しがらない。 そう、一度抱くだけでもそれなりにそのオメガに執着してしまうからそれは避けないと心が持たなくなる。 それゆえ、ユキ先生みたいな「醜いオメガ」が番のいない処理のために人気なのだ。 先生をあの仕事から引退させるために払っている金額はかなりのものなのだ。 オレが先生という専任の処理オメガをつくっているのも、結局は執着かもしれないし、今回キョウちゃんを引きずりだすのにミサキを使おうと思ったのもそれかもしれない。 最後まではしてないが、やはり1度は触れたミサキに執着があるのかもしれない。 オレの場合は他にも抱いたオメガはミサキの言う通り沢山いるけれど。 オレは特殊だ。 キョウちゃんへの執着が他のどんな執着よりも上回るから。 まあ、ここでミサキと最後までしてしまったならまた新たな執着か生まれるのかもしれないが、とにかくキョウちゃんを連れ戻すのが最優先だ。 今回のコレにユキ先生を利用しないのはキョウちゃんがショックを受けるのを避けるため、と、これからもユキ先生を使うからだ。 オレがキョウちゃんを殺さないために必要だから。 この秘密は今度こそ。 地獄まで持っていく とにかく、オレに裸に剥かれたミサキはオレを興奮させるだけのエロさはあった。 真っ白な薄い肉の身体。 だけど、どこかまろやかで、薄く平らなのに揉みしだきたくなる胸、そして、女性のように発達した乳首。 小さな柔らかそうな尻。 無毛の女性器よりもやらしいペニス。 そして、全身に残る吸いあとや噛み跡が、ミサキが毎晩のようにあのアルファに犯されているのだと教えてくれた。 可哀想に。 そこは同情した。 嫌いな男に犯されイカさせられてるのは気の毒だ。 オレとのこのセックスは同意だからな。 だが全身の所有の印に興奮したのも事実だ。 ミサキはオレを見上げているが、その目に敵意と憎しみはあるけど、拒否はない。 ミサキも楽しむつもりなのだ。 こうすることが一番あの男への復讐になるから。 しかし、あの男の独占欲はアルファらしくえぐくて、本当に全身にその跡はあった。 その跡の1つを指でなぞる。 乳首の周りにつけられたそれを。 ああっ ミサキはそれだけで身もだえた。 その身体に覆い被さると、接した肌の感触だけで感じるのか、ミサキはオレの下でヒクヒク痙攣した。 毎晩ヤられてるだけあって、あの頃のより敏感になってるみたいだ。 まあ、キョウちゃんだって、オメガじゃ無いけどオレのお陰であそこまでやらしくなったからな。 なんとなく、相手のアルファに対抗意識を出してしまった。 オレはベッドの隣りでぼんやりそれを見下ろしているキョウちゃんを見上げた。 「キョウちゃんが止めるまで、オレはミサキとヤる。嫌なら止めて」 オレは言った。 キョウちゃんはそれでもニコニコしていた。 ああ、キョウちゃん。 オレを止めてくれないと、このオメガをオレは抱き続けるよ。 何時間でも何日でも。 相手のアルファがここを見つけるのに、少なくとも3日はかかるはずだ。 その間ずっとやり続けるよ。 「ココはあの頃より感度はあがったか?」 オレはまだ相手の歯型が周りに残る乳首を舐めた。 ひんっ ミサキが鳴いた。 前より感度は上がっていた。 なめてやる。 やあっ はんっ ひんっ 舐めるだけで可哀想なくらい感じる。 だけど、本当に可哀想なのは、ミサキは感じることは知ってても、先生みたいに楽しむことは知らないということだ。 感じてるくせに、身体を硬くして。 ずっと、そういうセックスしかして来なかったと言うことだ。 まあ、どうでも良いんだが、嫌がるミサキを感じさせても、キョウちゃんを引きずりだすのにはあんまりよくないかな、と思った。 だから言った。 「もっと楽しめよ。お前が感じる度に、それはアイツへの最高の攻撃になるんだから」 そう囁くと、強ばっていたミサキの身体が緩んだ。 可哀想なのはミサキの番か。 愛するミサキが完全に身体を任せてくれるのは、気絶した後くらいしかなかっただろうからな。 だがそんなの知ったことじゃない。 明らかに意識が変わったミサキの身体をゆっくりなでて、ミサキの乳首を口に含む。 あっ はぁっ ふうっ ミサキの声がほら変わった。 甘い声だ。 そう、これでいい。 キョウちゃんが耐えられなくなるまで、オレに感じて蕩けてくれ。 オレも口の中で融ける乳首を楽しんだ。 ユキ先生のとはまた違う感触だったが、これはこれで良かった。 オレも楽しまないとキョウちゃんに見せつけるために。 吸って、甘く噛み、舌先で転がした。 キョウちゃんにするみたいに。 今回は今迄オメガ相手にしてきた乱暴なセックスはしない。 だって、キョウちゃんを怯えさせたら意味がない。 それに、オメガはこんな風に優しく抱かれたら、おかしくなるって、ユキ先生が教えてくれた。 それはどれだけアルファ共が自己完結なセックスを、オメガが感じるからしているかって話だ。 まあ、オレも普段は先生を処理につかってるし、ここへ来る前もめちゃくちゃに突いて出すだけのセックスしてきたけど。 先生との「条件」でしているセックスからアルファとオメガについては学べたのは、今回役に立ちそうだ。 胸だけでこんなになるなんて思っていなかったミサキか自分の頭をかきみだし、悶える。 その身体を身体を覆っておさえつけ、反応を身体全体て楽しみながら、じっくり乳首を味わった。 ああっ 気持ち・・・い・・・い ミサキの身体が一層オレを受け入れたのがわかった。 ミサキも楽しんでる。 これでいい。 そして、オレは目線をあげてキョウちゃんを見つめる。 ミサキの乳首を丹念にしゃぶりながら。 ほら。 キョウちゃんが大好きなことをオレはミサキにしてるよ。 キョウちゃんもここを舐めて吸われて、反対側を指で苛められるの大好きでしょ? キョウちゃんはでもぼんやり笑ってたから、オレはさらに行為を進めることにした。 今回は。 キョウちゃんが泣いて止めるまで、どこまでもとことんやる。

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