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第65話

「ミサキ、挿れるぞ」 オレは言った。 ミサキは自分からおずおずと脚を広げた。 両手で顔を覆い、首を振りながら、そんな自分を認められないくせに。 欲しいのだ。 その前にオメガのもっとも敏感である場所である項を甘く噛んでやった。 オメガはここを執拗に舐めたり噛んだりしたらイクのだ。 ユキ先生の望むように抱く時はここで何回も先生をイカせてやってるから知ってる。 ああっ ミサキが鳴いて身体を震わせる。 その感触を覆い被さりながら楽しんだ。 番の歯型の上にオレの歯型がつくのは楽しかった。 後でアイツはこれを見て怒り狂うだろう。 だが、オレはアイツと違ってレイプしたわけじゃない。 項や首にたっぷりキスマークもつけてやった ミサキは痙攣してイキながらソレを喜んでいた。 ミサキもコレを見て、番が怒り傷つくのが嬉しいのだ。 笑いながらイってた。 番のアルファには恨まれるだろうな。 めちゃくちゃ合意だこのセックスは。 今回は。 ミサキが毎日されてるセックスよりよっぽど合意だ。 嫌がるミサキをそれでも触れて感じさせて、イカせるだけのセックスよりよっぽど。 ミサキの腰を掴んで持ち上げ、どこまでも柔らかい身体を折り曲げる。 そしてキョウちゃんに見えるように、オレのペニスの先端を何度か、濡れそぼった孔に浅く潜り込ませた。 そこは欲しがりオレのペニスの先に吸い付いてくる。 クチュ クチュ 水音を立てて、キョウちゃんを見ながらそこで先だけを遊ばせた。 吸い付くようで気持ち良く、つい声が漏れてしまうのはオレもだった もちろんミサキはそれどころじゃない。 ああっ 早くぅ 奥に・・・ 奥にぃ・・・ ミサキが生まれてこの方したことのないだろうオネダリをしてくる。 が、ミサキはどうでもいい。 オレはキョウちゃんの目だけを見つめる。 透明な茶色の瞳にキョウちゃんはまだいない。 「キョウちゃん、いいの?オレのは一回挿れたら出すまで抜けないよ?」 オレはキョウちゃんに尋ねる。 アルファのペニスを全部挿れたらコブになってて抜けないのはキョウちゃんが一番知ってる。 「お願いもう無理、抜いてぇ」 ってキョウちゃんはいつも泣いてるけど、「でも、出すまで抜けないからね」ってキョウちゃんの限界寸前まで可愛がっているからだ。 もちろんキョウちゃんの限界は知り尽くしてる。 無理はさせてない。 キョウちゃんに異論はあるかもしれないが。 でも、キョウちゃんはふわふわそれでも笑ってて。 その目の光は陰りもしない。 オレはガッカリした。 だが、続けるしかない。 だってキョウちゃんが出てくるとオレは信じてる。 「じゃあキョウちゃん。オレ、ここに挿れるからね」 オレはキョウちゃんに言った。 先で味わっていた孔の、今度は奥へとゆっくりと挿れていく。 ああっ ふうっ ひいいいいぃぃぃ 焦がれきったミサキが涙をながして喜んでいる。 まるで引き込むかのように、中が欲しがっていた。 キョウちゃんのいつだって張り詰めて、壊れそうな穴とは違って、オメガの孔は貪欲だった。 オレも獣のような呻き声が出てしまう。 喰いたい。 思い切り突き上げて、先生にしてるみたいに殺すように味わいたいのをこらえる。 これはキョウちゃんに見せるためのセックスだから。 ああ、吐息が出るほどやはりオメガは甘い。 先生とは違う甘さで、番のアルファが悔しがるかと思うともっと甘い。 壊すようにしてあじわいたい。 オレは必死で堪えて呻き声を零す。 孔の奥までたっぷり可愛がられ、毎日そこでイカされてるだけあって、ミサキの孔はオレのを上手にしゃぶるように絡みついてくる。 腹を破るくらい突きたいのを堪えて、奥までゆっくり収めた。 挿れるだけで蠢くそこは。 美味くて涎が出そうになる。 だが耐える。 キョウちゃんが見てるから。 キョウちゃんの前では獣にならない。 「キョウちゃん、ほら、キョウちゃんの大好きなオレのチンポがミサキの中に入っちゃったよ」 オレはキョウちゃんに接合部が見えるようにしてさらにミサキを折り曲げる。 ミサキはもう獣になっていて、涎をたらして喜んでいる。 あひい ひきい あんなに綺麗で上品だったミサキはいない。 獣のようにアルファを欲しがるオメガしかいない。 ミサキは自分で腰を動かし、喚き、ペニスからポタボタと白濁を垂れ流している。 アルファのペニスが嬉しくて仕方ないのだ。 最終的にオメガはこうなる。 大嫌いな番のペニスにだってこうなっていたのは間違いない。 可哀想なオメガ 可哀想なミサキ。 哀れんだが、こちらにも余裕はない。 でも、耐える。 キョウちゃんのために。 オレのキョウちゃん。 「ミサキがよろこんでるよ。いいの?」 オレはキョウちゃんに聞く。 それでもキョウちゃんはぼんやり笑ってるから。 どの道、中で出すまで抜けないのだし。 「じゃあ、オレ、ミサキで楽しむからね」 オレはキョウちゃんに宣言して、ゆっくりと腰を使い始めた。

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