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第5話
………
緊張感で呼吸が乱れる
大丈夫。大丈夫だ。失敗なんかしない
言い聞かせるように呟く
滲む手汗が不愉快だ
乱暴に服で拭う
視線を逸らす…
「水に命を宿し這いずる蛇よ 従え!」
井戸から水飛沫が上がりそのまま空中で固まり、次に触手のように枝分かれして蛇の姿になる
それが奴に襲いかかった
「光明示し洛陽の翼 悪しき者を払わん」
奴は神々しい光を放ちながら対抗してきた
オレンジ色の羽が舞いそれらを巻き込むように風が発生して僕の魔術を吹き飛ばした
やっぱり聖属性…神聖魔術だろう
魔術適正がある者でもさらに扱える者が少ない魔術だ
扱える才能がある事自体が神聖教会での地位につながる
ここは丁度路地裏のさらに奥の場所のようでひらけていて人気もない…
なら戦うのには丁度いい
来国初日にこんなことになってしまったのは腑に落ちないが悪事を見逃せない
意を決して挑む
体をかがめて駆け出す
奴は余裕の笑みを受けべていた
今に見てろよ!
「空昇りし白煙の報せ 我は此処に在り!」
神聖魔術の攻撃を走って避けながら詠唱する
破片が頬に当たり血が流れるが構わない
「堕ちた夢の残光 メノウ・グランツ!」
差し込む光がガラスに吸い込まれるように歪む
それが次第に蓄積し空から降り注いだ
激しい爆音の後、煙が消えて熱により地面が熱気を放ち溶けている
やり過ぎたかな?と一瞬思ったが視界に人影が映った
「ッ!」
足首に光の鞭が絡みつきそして追加で手首も同じようになった
「うわぁ!?」
天地が逆さまに、ではなく自分が逆さに吊り上げられた
空中に浮かんでいる
「…‥子供と舐めていたが、上位魔術を扱うとはな。どこで、いや何を贄にした?」
目の前まで飛んで浮かんできた奴がそう言った
その質問に僕は息が詰まる
「ふん。愚者はどこまでいっても愚者だな」
「うるさい!この変な布ぐるぐるやろう!暑苦しいんだよ!」
「愚弄するな!地上の穢れを寄せ付けない為に仕方ないだろ!」
「はぁーん。自分だって変だって思ってるくせに」
「クッ…減らず口を」
「なぁっ!?やめろ!」
逆さのまま頭を掴まれ左右に振られる
の、脳が揺れる…
このまま顔に吐いてやろうか?
自分の名誉まで汚しそうなことを思いついた時だった
「そこから離れろ」
低いが子供独特の高さを感じる声だった
僕の頭を掴んでいた奴は異変に気付き離れる
僕はそのまま解放されたが重力によって地面に落ちていった
「ぷへっ!」
地面にぶつかる前に受け止められた
目を開けると、不機嫌そうな青い目と硬そうな短髪の青年が僕をお姫様抱っこしている
「………」
「怪我はないか?」
「えっ?あ、うん…」
驚きで曖昧な返事をする
この人は気にしていないのか一瞥するとゆっくりと降ろしてくれた
あら紳士
「下がっていなさい」
僕を後ろに庇う
「でも…」
「貴様何者だ。我が国での蛮行許されると思うな!いたいけな子供を襲うなど、愚か者め」
………?
どこからツッコめばいいんだろう
ちょいちょい
「…なんだ?今それどころじゃないんだ。すまないが親御さんのところまで一人で行け、…るかな?」
態とらしく子供に言い聞かせるように喋り
下手くそな笑みを浮かべている
得意ではないようで怖さが強調されている
キリッとしていながら意志の強そうな眉と男の子らしい顔をした人だった
あれこの人、今朝ぶつかりそうになった人じゃん
朝からキレてた人だとわかりまじまじと見つめる
怪訝そうな顔をした彼は元の真面目そうな顔に戻りこちりを窺う
暫し見つめ合う
「……お前…」
ごくりっ…
「もしかして、怖くて動けないのか?」
「違うわっ!」
ポコンッ
つい頭を叩いてしまった
真面目な顔をして君の目は節穴なのか!
「…なんで叩かれたんだ?」
「つい」
身内感覚でやってしまった
「ッ!」
彼は咄嗟に僕を抱き抱えて回避する
いた場所は攻撃によって抉られていた
「仕方ないな。離れるなよ」
背に庇って彼はいった
「邪魔者が増えたか。共に果てさせてやろう」
「ほざくな」
睨み合う二人
「ハッ!」
彼が飛び上がり斬りかかる
その手には白い刃が光を反射している片手剣が握られていた
青年は素早く斬りつける
空中戦でも軽い身のこなしで戦っていた
「くらえ!」
背後をとった
知らない人だけど強いみたいだ
あの場所にいたから騎士なのかな
黙って見ていたが、僕は異変に気づいた
奴が笑みを浮かべている
「仄暗い地底 見上げるは憎しみの天 縛れ思うがままに!」
地面に青と黒の魔法陣が浮かぶ
そこから鎖が飛び出して奴を拘束する
二人は驚いたようだ
「ッ!?闇の魔術か!」
「…燃えろ炎剣プロミネンス!」
刀身が赤く発光して斬りつけた
直後に爆発が起きる
壁に一度足をつけて蹴り飛ばして僕の近くに着地する
あれかっこいいな…今度やってみよう
一度練習してからだね
カチン…
剣を鞘におさめて振り返った
そして訝しげに見つめられる
な、なに?何か文句ありますか?
あっ、さっき咄嗟に暗黒魔術使っちゃった
しかもこの神聖皇国で……た、逮捕されちゃう!?
もしくはその場で処断されちゃう感じ!?
あ、焦るな僕。サイファーに言えば取り成してもらえ…ないか?または、目撃者は一人だし……
良くない考えが浮かんだが、やめる
無関係で一応、僕を助けてくれたんだし
酷いことはできない
「……お前」
「ッ………な、なに」
また暫し見つめ合う
クッ、イケメンめ…
「……もしや、漏らし「てないから!」」
ポコンッ!
強めに叩く
納得してない顔のまま叩かれたところを摩っている
「恩人をポコポコ叩くなよ」
「う、うるさい!失礼な君が悪いんだ!」
無神経な発言を連発するのがいけないんだ
憤る気持ちを宥めながら僕は剣をおさめた
恩人って、まぁ確かに助かったけど僕一人でもなんとかなったし偉そうに言われると素直になれない
「……おい、聞いているのか?おい!」
「は、はい!」
「だから、怪我はないようだし騎士詰所までついて来い」
「えっ!?」
なんで?疑問が顔に出ていたのかそれとも面倒だと思ったのか、小さくため息を吐いて僕を見る
ツンとした髪が僅かに揺れる
刺さったら痛そう
触ろうとしたが直前に避けられ睨まれる
猛犬注意と脳内でアラームが鳴った
ガルルルと呻きそうな顔だ
お手を催促したが拳が落ちてきたので避ける
なにこいつ楽しい
「さぁふざけてないで行くぞ。抵抗するなら拘束する」
その手には縄が握られていた
いつのまに…
引いた目をしたまま見つめると咳払いをした
……
逃げぐぅ!?
手首に縄が括り付けられていた
やりおる!
「観念しろ!」
「僕は、無実だ!」
抵抗してわちゃわちゃと騒ぐ
どうしたものかと思案していると視界の端に影が映る
「危ない!!」
「なっ!」
僕は咄嗟に彼の腰に突き飛ばす勢いで抱きつく
すぐ横を光り輝く風が通り過ぎる
僅かに触れた髪が切れた
砂埃を上げながら地面を滑る
そして見上げた先に、片手を失った奴がいた
「調子に、調子に乗るなよ人間!!」
切断面から、青い血が流れている
青い、血?
まさか…
記憶を呼び起こす前に奴が動く
残った片手を上げ光を収束させた
大技をする気だ。すごい神気を感じる
ここには大量の神気があるから強力な技が使えるようだった
「畏れよ 偉大なる神の怒りに触れしものよ その身を持って贖うがいい!!ベイン!グラ…」
呪文を詠唱し終える前に
青い迅雷が軌跡を描く
「邪魔だ」
剣を抜き一閃
現れたログナスが着地した
袈裟斬りに斬られた奴が地面に落ちる
…容赦ないな
攻撃が見えなかったよ
まるで通り道にいたからついでに斬った
そんな顔で僕の前まで優雅に歩いてくる
「遅くなってすまない」
ログナスは僕しか見ていなかった
隣の彼は驚いた表情からなぜか憎々しげに見つめている
「おい貴様!」
「…もう食事は終えたか?まだなら共にどうだ?いい店がある。以前いた時調べておいたんだ」
いつか共に来た時行こうと思っていたと話すログナス
それは嬉しいけど、横で青筋を浮かべながら睨んでいる彼のせいで横が気になってそれどころじゃない
「そう言えばあのサ…、あの男はどうしたんだ。セウスを護衛することも務まらないとはやはり任せなければよかった」
「俺を、無視するな!」
抜刀して怒鳴った
ひぇ
その敵意剥き出しに流石にログナスが反応した
「…何者だ」
「こちらのセリフだ!俺の手柄を奪っておいて何様だ!」
「手柄?こいつは先程から何を言っているんだ。…もしや金が欲しいのか?悪いが施しはしない主義だ」
ゆすりだと思ったらしい
その発言に彼はぷるぷると震えて激怒直前のようだった
「…侮辱したな。…許さん」
目が光っている
怒りで魔力が励起したようだこれはまずい
また一悶着起きそうだ
このままでは通報されてしまうかもしれない
「ろ、ログナス!ほら僕お腹すいちゃったしもう行こうよ!」
「そうか。なら行こう」
慣れた様子で僕の腰を抱き寄せて歩き出す
「待て!まだ話は」
その時彼の動きが止まる
耳に手を当てて懐から懐中時計を取り出して確認した
通信かな
何かしらを喋った後僕たちを一瞥して、諦めたようにため息を吐いた
「…わかった。迎えに行くから動くなよ。絶対そこから動くな。わかったな?話しかけられてもついてくなよ?わかったな?」
しつこく言ってるけどそんなに不安になるのかな
どんだけじっとしてられないのだろうかその相手は…
通話を終えて僕たちを見る
「これで済むなと思うなよ。悪事を働けば俺が斬ってやるからな」
そう指を差して走り去っていった
騒がしい人だなぁ
僕は去っていく背を見ながら言った
「気になるのか?」
「えっ?」
グイッと強く抱き寄せられてよろける
そのままログナスの胸に寄りかかるように抱きつく
驚いたまま見上げるとログナスが見下ろしており、
自然と互いに、見つめ合う
その距離の近さに僕は呼吸が一瞬止まった
どこか切なそうに赤い目が僕を見つめる
「ろ、ログナス…」
ぎゅっと抱きしめられる
彼の温もりと爽やかな香水の匂いが香り、心が落ち着いてしまう
反射で、抱き返す
やっぱりしっくりくるこの感じは悪くない
なかなか二人っきりになれなかったからかログナスは存在を確かめるように抱きしめる
自身もどこかログナスの不安定さを感じたのか、あやす様な気持ちで背中を撫でた
静かな空間で二人の鼓動だけが確かに感じられた…
「あのー」
間伸びした声がかけられた
二人で振り向くと
崩れた石柱の上に座り顎を手で支えて呆れたような顔をしたヒスイがこちらを見ていた
「イチャついてねーで、さっさとここから離れれば?」
もうすぐ聖騎士隊がやってくるらしく
狭い路地に親指で進行方向を指し示しているヒスイ
「うん…」
ログナスに手を引かれて歩き出す
後ろを振り返るとそこから動かず手をふってた
忘れていたけどヒスイも無事だったみたいだ
せっかく案内してもらってた…そもそもヒスイが変な所に連れ込んだせいだ
「気に食わないな」
顔を向き直る
こちらを見ないでログナスが言った
「…なにが?」
暗がりに連れ込まれた
咄嗟の行為に驚き固まる
影になったせいでログナスの顔がよくみえない
ただ赤く光る目だけが僕を覗く
「ッ!?」
首元にログナスが顔を乗せる
体温と呼吸が肌に触れる
それに僕は緊張し同時にドキドキとして
一瞬甘い刺激が肌を流れた
「…ろ、ログナスな、なにしてるの」
「……」
答えない
黙って僕を覆い隠すように
日向から逃れるように
彼は僕を抱きしめる
鼻先が首筋に触れ
息が肌を撫でた
擦り付けるように頬や髪が当たる
「ログナス…」
「………これでいい」
ぼうとした意識の中そう声が聞こえた
何がいいって?
微睡んだまま形のいいログナスの耳を見つめる
頭を支える大きな手がうなじを撫でた
「ふぁ」
すっと温度が離れる
それに寂しさを感じて手を伸ばしそうになった
「…行こう」
「…うん」
良く頭が働かないままついていく
ログナスの行為が先程いた店の強い香水の匂いがついていて、それが気に食わなくて浄化魔術をかけた後、わざわざ匂いつける事だったと知ったのは、ログナスとの食事を終えて宿舎に向かった時にユダに同じ香りがしますね。香水でもかけてもらったんですか?という質問をされ暫し時がたった後、そう気づいたセウスだった
▼
静寂が物寂しい雰囲気を醸し出している
先程まで戦場となっていた開けた路地裏は一人の死体と
一人の少年が立っていた
その肩には小鳥が乗っていた
「……おい起きろよ。そのまま地面に引っ付いたまま殺されてーならそうしてやるけど?」
嘲るように告げる
すると転がっていた死体が、もぞもぞと動く
ふらつきながら上体が上がると
斬りつけられた部分が青い血を流しながらも修復しかけていた
「しぶてーよなほんと」
ケラケラと笑う
「……」
「何か言いたいことでもあるのか?言いたいことがあるのはこっちだぜ?店を荒らすし俺の仕事まで邪魔しやがって、どうせ楽には死ねねーんだし痛ぶってやろうか?」
指をコキコキと音を鳴らし動かすヒスイ
慣れた行為を反芻するだけ
触れて剥いで抉って斬り落とす
殺さないように、希望をチラつかせながら
そして宥めるように傷つける
ただの作業だ
特にこいつらはしぶとい
羽をもいでも手足を斬り落としても半日は生きてくれる
拷問する側としてはやりやすい
まぁプライドが高い奴が多いせいか
最初はキャンキャンと鳴いてうるさく
最後の方は早く殺せしか言わない
なら別の手を使うのも一考せねばならない
「こらこら、君にそんな事はさせたくないなぁ」
柔らかな声が聞こえた
肩に乗る通信も可能な鳥から声が聞こえる
生命なき鳥の形をした魔法だ
「必要ならばなんでも使ってくださいよ。俺は喜んでやりますんで!」
「喜んで拷問されてもねぇ。趣味でもないんだからやらなくていいさ。私の為に綺麗でいて欲しい」
「そ…そう仰るなら、てか俺が綺麗だなんて、お、おおお御師様こそきれ、いっス」
最後の方はあまりに小さな声だった
「……貴様は」
地面に這いずりながらも男が話した
眩しそうに目を細め
青い血に濡れた布を体に巻いたまま呆ける
「見惚れてんじゃねーぞ!地面に這いつくばって崇めろ三下!」
くだをまくように吐き捨てるヒスイ
「話が進まないから、落ち着いて」
「はい」
しゅんとする
「…貴様………いや、お前は」
「その名を口に出す罪を背負う覚悟はあるかい?」
問う声に黙る
「ハッ…やはり、やはりか。おかしいはずだ。何もかもが決まっていたのか」
「それは違う。事象は確定していなかった。だからこそ君はこうして敗者となってここにいる」
ただ事実を告げた
「……」
「わざわざ内部から攻めようだなんて。すこしだけ意外だったよ。もう戻れないでしょ君ら」
「その必要はない。我らが父がお望みになったのだ。ならば喜んで身を捧げるのが使命だ」
押し殺すように笑い声が漏れる
「……何がおかしい」
怒りを隠さずに問う死に向かう男
もはやできることは少ないが笑われたことに怒りを露わにする
「あんなものを父だなんて」
吐き捨てるように言った
「憐れだなぁ」
その言葉に男は堰を切ったように怒鳴る
「き、貴様風情に何がわかる!!あの方の寵愛を一身に受けながら自ら堕ちていったまがい者!!恥を知れ!死ね!魂が塵も残さず業火に焼かれ!憐れに嘆きながらゲヘナに墜ちろ!!」
そう吐き捨てた瞬間首が静かに落ちる
「ヒスイ」
「申し訳ございません。聞き障りでしたのでつい……叱責は甘んじてお受けいたします」
間が開いた後
「許そう。私の為にありがとう」
「…なんのことかわからないっスね!」
態とらしく明るく言った
「フフ、お腹が空いたかい?よければ今夜久しぶりに食事でも」
「行きたい!行きたいです!」
二人っきりの食事だと決めつけてヒスイはご機嫌になった
「その前に」
「はい!」
「夜の食事までこれをよろしく頼むよ」
「….」
ぽわんと白煙の中から現れた紙を掴む
その書かれている文章にヒスイは固まった
▼
コンコン…
「はい」
ユダが部屋の扉を開ける
今いるのはカフェラウンジだった
合流した店では個室を取っていたようで
夜景を見ながらゆっくりと早めのディナーを楽しめた
食後のお茶を楽しみつつ歓談していたところ
部屋をノックされた
素早くユダが動き応対する
誰だろう?約束なんてなかったのに
目線で前にいるログナスに尋ねたが知らないようだ
「よぉ。食事中に悪いな」
「別にいいけどさ。何かあった?」
目に見えて暗い顔をしていたヒスイは置いてあった瓶入りの炭酸水を飲む
そして一息ついて、おずおずと巻かれた紙にリボンがしてある紙筒を手渡された
「確かに渡したからな」
「うん。えっと….」
なになに?
「……えーセウス・クルースベルとヒスイ両名は校則を破り不認可の魔術使用及び戦闘行為、施設の破壊、未成年立ち入り禁止の場所に侵入した行為を認め反省するように
後日、罰則として男子宿舎を一週間掃除するようにとする。追加として破壊した分と市民の迷惑料は学費から押収する。拒否した場合、退学とする」
認証者名欄にサイファーと滑らかな字で書かれていた
「ほほう。やりますね坊ちゃん。入学式前に退学なんて有名人確実ではありませんか?」
ユダの皮肉にも反応できなかった
「……何階建だっけ」
「六階建だ。ついでに言うとリラックスルームと娯楽施設、自習室と寮図書室、音楽室、訓練室などがあってなかなか広い」
「………」
それって業者じゃないと無理じゃない?
と思わずにはいられなかった
「二人でだから…半分?」
「更衣室と食堂もついてる。あと屋上菜園と中庭」
宿舎に色々ありすぎじゃない?
金の使い所がよくわかる
ヒスイの顔が青いのがよくわかった
「手伝おうか?」
「いや、いいよ」
ログナスが気を使って提案してくれたが断る
自分でやらかしたことだし
ため息を吐きながら柔らかい臙脂色のソファに深く座る
食後のアイスを堪能しているユダを見ながら
幸先の悪い学生生活をスタートさせるしかないなと
諦めた瞬間だった
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