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第6話(R18)
「-様、検査をいたしますので、お召し物を失礼いたします」
元石は前世の記憶で印象深い場面は沢山ある。
例えば、皇子とその主治医とは言え、同じ年齢だったが故に、文学をはじめ、経済学、天文学、芸術や戦術等について学び、語り合った時もあった。皇子から皇帝に即位する前のちょっとした悩みや数え切れない愚痴を聞き、皇子である正親に優しく説くような時もあった。
だが、元石の最も重要な国務は皇子である正親の日々の健康を保ち、それを脅かす感染や発症から守ることだ。
その為、正親の身体の隅々、果ては正親の体内へ取り込まれ、体外に出されたものも1つ1つまで診ていた。
「ああ」
正親はベッドのようなものに横たわり、元石に下半身の衣服を取らせて、身体を委ねる。
元石は正親の皮の被ったペニスを刺激すると、指先で皮を剥いた。
「ううっ」
皇族たる者、「痛い痛い」と喚くのはみっともないとされているのだろうが、人体の痛みに身分の違いはなく、万人のものだ。無論、正親も痛覚を感じ、きつくその瑠璃色の目を閉じ、眉の辺りに皺わを作り、その端正な顔を歪める。
「良く我慢なさいました」
「はぁ……はぁ……」
「皮の付近には垢も溜まりますので、このようによく洗浄し、清潔に保つようにしてください」
「あっ……んっ……」
元石は湯を張った浅めの桶の1つに手を入れ、隣国から取り寄せたソープと硬く絞った布地で正親のペニスの皮付近を念入りに清める。
極めて、義務的に元石は振る舞うが、均整のとれた顔貌に、肉体を持ち、痛覚や快感を表に必要以上に出さぬように耐える正親に欲情しない訳はない。
がしかし、欲情に従い、国の皇子を蔑めるようなことをすれば、元石は厳しい拷問の末、斬首され、身内も罪人として処罰されるということになるだろう。
「次に精液、最後に前立腺に異常がないか、調べます。この容器へ貯めるように精液をお出しください」
と、元石が言うと、口の広がった瓶のような容器を正親の鈴口に充てがった。
そんな元石の顔を正親はちらちらと見ながら、自身の顔は少しだけ赤らめる。正親が精通を迎えてから、検査をする際は元石が正親の手淫に手を貸していたのだ。
「あっ、あっ、あっ……」
元石の手の中で正親のペニスは天井を向き、硬度が増していく。大きさや重みなんかも増し、鈴口から若い精から飛び出た。
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