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第19話

 万が一、敵の手に落ちた時の為に持っていた自害用のナイフ。  淡い黄緑の瞳を持つ過去世の元石がそのナイフで誰かを刺している。 「ー様……」  普段から泣くどころか、笑うことも怒ることもしない……第一皇子の主治医である臣下。  彼の目から一筋、涙が流れていて、その傍らには鮮血に塗れた主君がいた。

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