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第3話

「着いたぞ」そう言われ車から降りると着いた先は焼き鳥屋……?顔に似合わないな。なんて思っていると"行くぞ”と腕を引っ張られ昔ながらの焼き鳥屋に入っていく。タレの香りについつい(ヨダレ)が垂れそうになる。 「あら〜紫恩(しおん)ちゃん♡いらっしゃ〜い」 「その呼び方やめろって言っただろくそババア」 ここの女将さんだろうか……?めちゃめちゃ美人だ。多分40代くらいだろうけど俺は全然抱ける。なんなら逆に抱いてほしい。お、危ない危ない本当に連絡先聞きそうになったわ。 「あれ?そちらの方は?」 「ああ……ええと……「救世主だ」 は……?なんだこいつ、面白すぎだろ。救世主って……俺はこいつのヒーローかなにかか?バレないように後ろでププっと笑っていると鋭い視線が俺を襲う。 「すみません……」俺の凹む顔を見てニコッと笑った顔にはさすがにときめく。こんな男前に笑われたら誰でもときめく。 女将さんに席を案内され個室に入っていったのはいいが壁に張り出されているメニューを見ると驚くくらい高かった。モモが1本2000ってバカなのか……?高すぎてこんなの頼めるわけがない。俺たった600円だぞ?値段に怯えていると、 「お前は何が好きだ?」 「いやお礼は大丈夫っていうかなんていうか……」 「ここまで来といてなにいってんだよ」 いやそれはそうなんだけど頼めるわけなくない? なんでコレ見てなんとも思わないの?この人金持ち?え、なんなの? 男の耳元で「ここ高いし……俺600円しか払ってないから頼めないです」と言うと男は大笑いをした。 「何かおかしいこと言いました?」 「じゃあ俺が適当に頼んでやる。嫌いなもんはないか?」 「ありません」 ジャンジャン注文していく男。男前で金持ちって前世はなにしたんだよ?全く…… 運ばれてきた盛り盛りの焼き鳥を「ほら食えよ」と言ってムシャムシャ食べる男。 「頂きます……」と、口に入れた瞬間うますぎて遠慮もせずムシャムシャと食べてしまった。 「ここの焼き鳥うますぎません?」 「珍しい(ニワトリ)らしいから美味くて当然だろう」 「こんなの初めてすぎてヒアワヘでふ!」 止まらない手のせいで変な喋り方になってしまったのは気にせず永遠と食べ続けた。 チラッと男の方を見ると微笑みながらこっちを見ていた。悪いやつではなさそう……?だな……? 食べ終わり、会計の値段をこっそり見ると倒れそうになったけどクレジットカードですました顔で普通に払っちゃうもんだから憧れちゃうよ。

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