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第11話
そしてあれから一週間、色々あった。
ハマってしまう前に離れようそう決めた俺は連絡がきても無視!無視!無視!を繰り返してあの男を怒らしてしまった。ある日、会社から出ると見覚えのある車と見覚えのある顔。あの男と下っ端の男達がズラリと会社の前に立ち物凄い勢いで俺を睨んできた。ヤクザ軍団達が俺に近づいてきてその中の1人が俺の耳元で「おいクソガキ。俺らはヤクザだぞ?その辺わかってるか?若を傷つけたら……殺すからな?」と言ってきたから俺は離れることを諦めるしかなかった。
《ヤクザってやっぱヤクザだわ……》
まあそれから毎日2時間おきにメッセージ入れてくるし、仕事終わりにご飯は付き合わされるし、でもあの日以来これといった進展はない。
「琉生〜最近、付き合い悪くない?」
「瑞希〜それに関しては本当にすまん。でも俺の命がかかってるんだよ……」
「まあ俺が琉生の立場でもそうなるわ」
「だろ?ヤクザなんかに気に入られてもいい事なんかないんだぞ……」
「まあ死ぬなよ!俺は今日女の子と飲みだから〜」
羨ましい限りだよ……
あの男にイカされてしまったことは言ってないけど瑞希にはそれ以外のことは話している。あの男のせいで瑞希とはご飯は行けないし飲みにも行けないし……俺の日常をあいつ色に染めるのほんとやめてくれないかな……?泣きそうだわ、ほんと。
「お〜い、二階堂く〜ん」
「なんでしょう?部長」
「SCグループの社長さんに届け物して欲しいんだけど行けるかな?」
「えっと……なんで俺が?」
「そこの社長さんが君指名でお願いしてるんだよ」
SCグループってあの有名な会社だよな……?
そこの社長がなんで俺なんか呼ぶんだ?社長の顔すら知らない俺はなぜかSCグループの社長に呼ばれた。
部長に頼まれた通り荷物をもってSCグループに向かって行く。着いた先はデカすぎるビル。そのビルに圧倒され入口の前でグルグルとしていた。
「キミが二階堂くんかな?」
「ええと……そうですけど貴方は?」
「僕がキミ指名で荷物を運ばせた張本人だよ」
俺の前に立っている男、ここの社長は若い爽やかイケメンだった。なんだ……このアイドルみたいな顔は……。
「あの……なんで俺指名されたんでしょう?」
「あー、それは中へ入って話そうか」
「ああ、はい……」
この男との出会いがさらに俺の人生を狂わす。
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