12 / 104

第12話

デカいビルの中へ入っていくとそこはもう俺の知らない世界で溢れていた。入った瞬間デカすぎるシャンデリアはあるし、なんか会社なのにめちゃくちゃオシャレだ。エレベーターを使って40階まであがっていく。40階だぞ?もう意味がわからん……それで社長室らしき所に連れてこられとりあえず頼まれた荷物を渡した。 「ところで俺が呼ばれた理由というのは……?」 「ああ、キミさ九条紫恩とどういう関係?」 「え……?べつに普通の関係ですけど……」 「ふーん?そう。あ、紹介遅れてごめんね?」そう言いながら急に上半身裸になりそれを見て俺は固まった。上半身全体には鬼の刺青が入っていた。 「僕、『元木組』若頭。元木(もとき)光輝(こうき)です。改めてよろしく」 は……?『元木組』って……。 『元木組』は『九条組』のライバルと言われている指定暴力団だ。九条組と同じくらいの力を持っているといわれている。これもまた最強指定暴力団だ。なんでそんな組の若頭がここの社長してんの……?言葉が出ない俺に社長さんが近づいてくる。 「な、なんでしょうか?」 「んー、僕さ九条紫恩嫌いなんだよねー、いつか殺すって思ってたから最近のあいつの行動とか探ってたらよくキミといるからさ?なんでかなって思ったんだけど今理解できた気がする」 「……???」圧が強すぎて少し後退りをする。 「キミ可愛いしあの男のお気に入りって感じかな?」 確かに俺はお気に入りだけど男から可愛いって言われる俺ってやっぱ……そういうことだよな?なんか雰囲気的にここでそうですなんて言っちゃったら多分俺は無事で済まない気がした。だから俺は「そんなわけないでしょ〜」って言ってみたけど「ううん、違くないよ」とニコッと笑って返された。 「今からキミを監禁するね」と満面の笑みで俺に言ってくる。《ああ、ほんと最悪だ》 そして俺はそのまま車に乗せられ多分『元木組』の事務所であろうところに連れてこられた。 「「「若!お疲れ様です!」」」 ヤクザってどこも挨拶一緒なんだな……って感心してる間に、俺はそのまま社長さんに連れられ広すぎるくらいの畳の部屋に押し込まれた。 「後で可愛がってあげるからね?」 え?待ってくれ……まさかヤクザってゲイが多いのか?なんで俺はこんなに男に抱かれるんだ? 社長さんがスマホをいじりながらどこかへ行く。 俺はそれをひたすらなにもない寂しい部屋で待った。すると社長さんは戻ってきたと同時に俺に襲いかかって耳元で囁いた。 『僕を抱いて』

ともだちにシェアしよう!