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第13話
「若!こんなメッセージが……」
「あ……?」
『元木組』の若頭、元木光輝からのメッセージ。
その内容は『お前のボーイフレンドを今から犯す』だった。
「おい」
「は、はい!」
「今から元木組に乗り込むぞ」
「でもそんなことをしたら組長が……」
「あ?さっさと車回してこいよ」
「へ、へい……!」
俺以外に抱かれる……?絶対許さない。指一本でも触れた瞬間、あの元木光輝 を絶対殺す。
「若!車回してきました!」
「ああ、行くぞ」
俺は揺られる車の中で怒りが収まらなかった。俺が狙ってる相手をあの男に取られるっていうのにも殺したい気分なのにさらに犯すだって……?
《ッチ、くそ……俺のせいで……》
「若……落ち着いてくださいよ」
「これのなにが落ち着いてられるんだ?」
「恋人でもないじゃないっすか。なんでそこまで大事にしてるんすか」
「俺が好きだからに決まってるだろ?それ以外なにがある?そんな事もわからないほどお前はバカ野郎だったのか?」
「す、すんません……」
それにしてもなんで今なんだ?俺のことを昔から目の敵にしてたくせにこのタイミングは……偶然か?それとも……おかしくなりそうな感情に支配されそうだ。
――――――――
あの日、全然来ない親父を待ってた俺はたまたま目の前にあったカフェで休憩することにした。会計しようとしたら現金払いしかできないとか言われちまってイライラしてた時、あいつが現れた。俺の金を払って。こんなできた人間いるのか?って初めは感心した程度で、助けてくれたこいつにお礼をしようと思った俺は飯に行こうと誘ったが断られた。「これくらいいいですよ」というあいつに俺は……興味を持った。日が経つごとにあいつへの思いが強くなっていく。俺は最初からあいつの事を……恋愛感情でしか見てなかった。今まで付き合ってきた女はもちろんいる。でもこんなに惹かれたのはあいつが初めてだった。
だから、俺以外の男に触れられるなんてあっちゃいけないことだ。あいつは俺のもんになるんだから。
『俺が飼ってやる』
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