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第23話

「はあ?なんで琉生とこいつが一緒にきてんの?俺だけ仲間外れ?ありえないんだけど」 プンスカと怒る瑞希に説明をする。 「な〜んだあ、それでお前に仕事を押し付けたクソ野郎は誰だ?」 なんだかんだ木南の心配をする瑞希がおかしくて頬が緩んだ。 「よっしゃ〜!それじゃ皆、準備はいいかい?せっ〜の!」 「「「乾〜杯」」」 ビールをプハ〜と飲む俺達。 会社の愚痴などで盛り上がり酒も進む。 「てかさ〜、琉生ってモテるの気付いてないよね〜、ね?思わないかい?木南くん」 「いやそれは同意見ですね。男の俺でもたまに惚れそうになりますもん」 「幼馴染の俺でもだよ〜」 俺の話で盛り上がってなぜか仲良くなるコイツら。「何言ってんだ」なんて言いながらどんどん酒を口に運ぶ。話は恋バナになる。 「おいそこのイケメン後輩、彼女は?」 「彼女なんていないですよ、好きな人はいるけど」 「「はあ?!どの子?誰?会社の子?」」俺達のハモる声に「うるさいです」とため息をつく。 「そうですよ……あ、ちなみに俺ゲイですから」 「「はあ?!」」またハモる俺達の声に2回目のお叱りを受ける。 「ちょっと待って……お前の好きな人ってまさか琉生だったりする?それはダメだから!琉生には彼氏がいるんだから!」 「お、おい!バカ」瑞希の言葉に俺を睨む木南に首を傾げる。 「え、先輩も男好きだったんですか?彼氏いるってまじですか?」 「いやもう1年も音沙汰ないしおわってるから」 「ホントですか?ということは……俺にもチャンスありってことですね?頑張ります」 いつもはクールで何を考えているかわからない木南だけど酒のせいかかなりテンションがおかしくなっていた。楽しい飲み会もおわり3人でベロベロになりながら夜道を歩いていた時、 「紫恩さん……?」 華やかなライトが照らす飲み屋街にいたのは手を組みながら歩くヤクザ男と見知らぬ女だった。 「え?紫恩って琉生の彼氏の?」 「え?どの人ですか?」 「ほらアレアレ」 2人の会話に入れる隙もなく俺はただその光景を見て呆然としていた。 「先輩きて」そう言って俺の手を掴みヤクザ男の近くに連れてこられた俺。 多分だけどあの男にわざと聞こえるように俺の名前を呼ぶ木南。しかもフルネームで。 「二階堂琉生せんぱーい!ここで俺とキスします?」その声に男が振り返った。 「アハ、面白いそれいいかも」 酒のせいか、俺は面白さで木南にキスをした。 「琉生……?」

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