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第24話
「せ、先輩……?ほんとにキスしちゃったらダメですよ……彼氏さんでしょ?」囁くように俺に話す木南の声も聞こえなかった。
俺は多分、イライラしていたのかもしれない。
俺と同じ目に遭わせればいいそう思った。
「で?お前の好きな人は誰?俺?」
「いやそれは……あの……」
「琉生!酔いすぎだから!さすがにダメだって!」
あーもううるさい。俺だって酔っててもそれくらいの事はわかってるって。半年も音沙汰なしでお前のことは捨てんとか言ってたのは誰だよマジで。なんで俺が振り回されなきゃいけないんだよ。
《あーほんとムカつく》
「お前がしないなら俺からするぞ」木南の腰に手を回し引き寄せた途端、
「おい」あいつの声がした。
「何してんだよ?恋人の前で堂々と」
手組んでる奴が何言ってんだ……?半年も音沙汰なしでどの面下げて恋人とか言ってんの……?
「人のこといえねーだろ」
「ああ、そうだな」
ほらな?
「それについては謝る。申し訳ない」
「今更謝られても、今更恋人だって言われてもあんたとはもうおわってるよ。半年も音沙汰なしで久しぶりに会ったらこれか?」
「このことは後で話す。先にお前の話だ。誰だこの男は?」
「お前に関係ねえよ」
そう吐き捨てて、瑞希と木南の手を引っ張って逃げるようにその場を去る。ガシッと掴まれた肩が鈍く痛い。
「なんだよ?」
「誰だって言ってんだろ」鋭い目線は俺を恐怖に陥れるようだ。
「後輩です」
「おい!木南!ほっとけよ!」
「先輩の彼氏さんですか?先輩泣かせるんなら僕が貰いますから!あと瑞希 も貰うって言ってましたから!貰われたくないんならしっかりしてください!では!」
「え?!木南?!ちょっと〜?!」
俺を置いて2人は暗い夜道の中に消えていった。
そしてこの男と男が一緒にいた女と3人。
この気まずい空気の中、「二度と顔を見せるな!」そう言って走りさろうとした瞬間に、
俺の手を掴み引き寄せキスをした。
「なにしてんの?」
「キスだ」「悪い、そこの女。今日は帰ってくれ。こういう事だから」
「は?!男同士なんてバカじゃないの?!」そう言って女はハイヒールの音をコンコンと鳴らしその場を後にした。
「なあ琉生なんであんなことしたんだ?」
「べつに」
「お前の恋愛対象は女だろ?」
「俺、男もいけるのに気付いたから」
「ふーん?煽ってんのか?今すぐ犯してやってもいいぞ」
「お前とはもういい」
「とは……ねえ……今からお前ん家行こうか」
「絶対やだ」という俺を無視しいつもの人殺しの目付きで俺を見るからそれに従った。
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