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第25話

「この家も久しぶりだな」 満足気にニコニコ笑っているこいつがウザイ。 一応、お客だし珈琲でもと思ってお湯を注いでた時、後ろから抱きしめられる。 「なに?」 「会いたかった」 「どの口が言ってんの?」 「ちゃんと話をしようじゃないか」 そう言って対面で正座をさせられるという意味のわからない状況に理解を苦しんでいると男が口を開く。 「まずお前にこの半年間、連絡しなかった理由。それはお前を巻き込みたくなかったからだ。(あの)事件があっただろ?あいつがお前に言っていた言葉が気になってな、落ち着くまでお前に連絡できなかったんだ。愛しの恋人が死ぬなんて誰でも嫌だろ?だから悪かった。許してくれ」 「……まあそれはわかったけどさっきの女は?」 「ああ、あれはセフレだ」 俺はもう女で勃たないというのにセフレだぁ? 本当、何様のつもりだよ。 「なに普通に言っちゃってんの?バカなの?」 「俺だって溜まるんだよ、しょうがねえだろ?」 「あんたは女でもイけるんだな」 「は?どういう意味だ?」 いっそのこと全部言ってやろうかと思ったけど俺は言葉を飲み込んだ。言ってしまったら俺の負けな気がして。全てこいつの思い通りになるような気がして。 「この半年間なにしてた?」 「なにもしてない」 「それでだ……さっきの男は誰だ?」 「新入社員の子だよ。俺が教育係してる」 「セックスの教育か?」 どうやったらそういう思考になるんだ……? ほんと頭を抱えることばかりだ。 「仕事に決まってる」 「じゃあなんであいつはお前にキスをせがんだ?」 「お前が他の女と手組んで歩いてたから俺のためにだよ。瑞希も木南も俺にとったら大事な幼馴染と仲間だから悪く言わないでほしい」 俺以外は必要ないだろとか言われてまたあの殺されそうな勢いの目線でも送ってくるかと思ったけど「恋人の大事な人は俺も大事だ。だから1万歩譲って了承する」と言ってくれた。 「それじゃ、久しぶりに会ったし始めようか?」 「な、なにを?」 「そんなの1つしかないだろ?愛の確かめ合い以外なにがある?」 「ヤダね」 「お前に拒否権なんかねーよ」そう言って俺の舌に吸い付く男のキスはやっぱり気持ちいい。 女とシても勃たなかった俺のアソコも硬くなってくる。 「え、ちょっと待って」 「なんだ?せっかくのいい雰囲気を」 「蛇の刺青……?」 「ああ、これがなんだ?」 「いや蛇みたいな奴だなって思ってたら本当に蛇だったから」 「は……?なんだそれ。指入れるぞ」 入れる前に自分の指をペロリと舐めるこの男の仕草にゾクゾクが止まらなかった。

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