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第33話

「……ん?ここは……?」 青い空が広がっているこの空間にいる俺は多分……死んだのか?あの人悲しんでるかな?その前に最後くらい瑞希と木南と会いたかったのに。後悔だらけだ。俺の人生は。 ―――――――― 「……い!!琉生!!!」 「へ……?」 「目が覚めたか」 「あれ?俺死んでないの?」 「死なせてたまるか」 どうやら俺は生きていたらしい。かなりの出血量で生死をさ迷っていたらしいが多分この男のせいで生き返った気がする。だって……意識がない間も、「死んだら殺す」っていう呪いが俺にかけられてるような気がしたからだ。 「……あっ……えっと……勝手なことしてすみません」 「そんなことはどうでもいい。無事でよかった」 今にも泣き出しそうな男の顔に俺まで泣きそうになってしまう。多分キスとかしちゃった方がいいのか?わからないけどとりあえずただいまのキスをした。 「……?なんだよ」 「いやただいまのキス……?」 「お前が怪我人じゃなかったら今ここで犯してるぞ」 あんまり余計なことするんじゃなかったと思っていた時、抱きしめられた。多分今、この男は泣いている。 「……おかえり」 そう言って俺を力強く抱きしめる男に俺も涙を流した。 「本当に死んだらどうしようかと思った」 「死にたくても死ねないね。向こうの世界でもあんたの呪いかけられてたし」 なんか照れくさいけど男の頭を撫でて「ありがとう」って言う俺に「好きだよ」という男。それにうんとだけ頷いた。 「琉生〜!」「先輩!」 グスグスと泣きながら病室に入ってきたのは瑞希と木南。左肩が痛いというのに2人して俺に思いっきり抱きついた。 「ちょっと……痛いってば……」 「だっで〜るいが〜じんだら〜うえ〜ん」 「先輩死んだら俺死にます」 「バカ、大袈裟だよ。ところでなんでここにいるんだ?」 「それは……先輩の彼氏さんがですね……教えてくれたんです」 「え、そうなの?」と男の方を向くとフンとそっぽを向く男に頬が緩む。 「これ俺達からのお見舞い……「いらねーよ持って帰れ」 「それは無理です!お見舞いですから!」 「俺の恋人だって言ってんだろ?」 「俺だって!先輩のこと大事なんですから!」 相変わらずこの男と木南の仲の悪さにはため息が出るがこうしてわざわざ2人を連れてきてくれた男に今まで思ったことがないほどの可愛いが溢れた。俺はもうこいつのことが好きなのか?認めたくないけど……多分俺はこいつが好きなんだと思う。 だけどまだこの気持ちは俺の中に隠しておくことに決めた。

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