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第39話

「そんな過去があったんだ……よしここで仲直りしようぜ!」 と、この場を明るくしようと頑張ってはみたがお互い睨み合っているこの状況に汗が流れる。でも話を聞いて納得した。俺の病室によく迎えに来ていた男は千晴の部下だということを。って……そんなことよりもこの状況をどうしようか……と考えいた時、千晴が口を開いた。 「兄さんとどういう関係なの?」 千晴の発言にさらに睨みをきかす男。これはヤバイそう思った俺は咄嗟に、「友達!」と答えた。 まあそれがよくなかったみたいで千晴を睨んでいた目は今こちらにうつる。だったらお前が答えろよ!と思う気持ちが伝わったのか男がようやく口を開いた。 「俺の恋人だ」 その言葉に目を丸くして首を傾げる千晴。まあそりゃそうだろう。俺が千晴の立場でもそうなる。 「あーそういうことなんだ。じゃあ俺はあんまり関わらない方がよさそうだね」 「ああ、そうしてくれたら助かるな」 このよく分からない兄弟喧嘩に腹が立った俺は声を荒らげた。 「おい!いい加減にしろよ。過去のことなんだろ?そんなものは水に流して今ここで再会できたことをありがたく思え!バカ兄弟!」 別に『バカ兄弟』とまでは言うつもりはなかった。だが……勝手に口が動いてしまった。そんな事を言ってしまった後に物凄く後悔したわけで……恐る恐る2人の顔を見る。すると2人共全く同じ顔をしていた。同じように目を丸くして口がポカーンと開いている。怒られると覚悟した俺は何か言われる前に背筋をピーンっと直した。すると2人の笑い声が部屋中に響いた。 「え、なんで笑ってるの?」 「お前面白すぎだろ」 「いやほんとそれな〜」 え?なんでこの2人急に意気投合しちゃってんの?理解できない状況に首を傾げる。 「別に過去のことなんか気にしてない」 「うんうん、全く何も思ってないね」 は……?さっきあんなに睨み合ってたくせに? 座っていた椅子からヨイショと立ち上がり俺の顔に近付く千晴。 「ち!近い!」 「心配しなくても俺も兄さんも兄弟だっていうのはずっと忘れてないから。確かにあの時はいい離れ方じゃなかったけど久しぶりに再会して再確認した。兄さんは兄さんだ、って。再会させてくれてありがとう。偶然だとしても感謝するよ」 「近寄んじゃねーよクソ弟」 なんかよく分からないけど良かったのか……? そしてこの日から3人でいることが増えその度に兄弟喧嘩を見さされるようになった。しかもその喧嘩の内容は全て俺のことだ……

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