42 / 104
第42話
「「「若!おかえりなさい」」」
俺は今日からヤクザ男と同棲を開始する。勝手に家も解約されて服やらスーツやら俺が入院している間に全部運んだらしい。
「親父のとこ行くぞ」
そう言って組長様専用の室へと連れていかれ俺は今正座をしている。永遠とよくわからない話を聞かされずーーーーと正座をさせられている。いい加減足が死にそうだ。
「紫恩の恋人か〜お前も大変だな?」
「アハハ……紫恩さんにはよくしてもらっています……」
こんな社交辞令言わなきゃいけない俺の身にもなってくれ。気を使わず過ごしてくれなんて言われても当たり前に気を使う。組長さんの室と俺の部屋はだいぶ離れているけど同じ屋根の下だ。もしこれで俺が恋愛感情なかったらどうするつもりだったんだ?そうだ、俺はまだ好きだと伝えてない。なのに同棲は勝手に開始するし、結婚をするだ、なんて言っている。俺が好きになると確信しているからか……?
「お前本当に俺と同じ部屋じゃなくて良かったのか?」
「逆に同じ部屋じゃない方が嬉しいです」
「あ?」
だってそうだろ?恋人だっていっても組長さんだって他の人達だっているんだぞ……?やっと組長さんとの話もおわり自分達の部屋へ戻っていく。
「風呂は2個あるがどちらを使っても構わない。でもお前の部屋から近い方は突き当たりを右に行けばある。いや……やっぱ俺と2人で入ろう。15分後に迎えに行くから風呂の準備しておけ」
「いやちょっ……ちょっと!!」
俺の言葉は無視してそのまま自分の部屋へ戻って行った。部屋にはもうテレビやらベッドやら新しい家電や家具が揃えられていた。それで何だって……?俺あの人と一緒に入るの?ヤったって言っても風呂って……恥ずかしすぎるだろ。キレイにまとめられている荷物に手をつけ風呂の準備をしていく。
(それにしてもこれ誰がまとめてくれたんだろう……?)
ありがたいごとに下着は下着、TシャツはTシャツとキレイに分けてくれていた。そのおかげで欲しいものがすぐ見つかる。そんなことを考えているとコンコンとドアを叩く音がする。
「……どうぞ」
「準備できたか?」
「……う、うん」
「じゃあ行くか」
紫恩さんの後ろをテクテクとついて行く。
「は……?これ風呂なの?」
風呂というより温泉だ。サウナまでついてるし……隣で颯爽と服を脱いでいる紫恩さん。いつ見ても思うけど本当にいい体をしている。チラチラとみている俺に近付いてくる。
「なんだ?俺に襲われたいのか?久しぶりだし長く愛し合おうか」
ヤバい……!俺襲われる。
ともだちにシェアしよう!