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第47話

まあそんなことを思いながらも結局は家へまっすぐ帰った。でもそれは俺の気持ちをぶつけようとそう思ったからだ。紫恩さんの部屋へ向かいノックをする。出てきたのは……めちゃくちゃ不機嫌そうな紫恩さんだった。 (今日話せるタイミングあるか?これ……) 心臓の音がドクドクうるさいけど覚悟を決めて部屋の中へ入っていく。 「何の用だ?俺は今日機嫌が悪いんだ」 「でしょうね……」 「で?用件は?手短に頼む」 この状態で話すのはやめようとこの数分間で50回は思っただろう。でも意を決して俺、頑張る! 「あの……俺に対する束縛っていうか……そういうのをやめて頂きたいと思ってまして……」 「話はそれだけか?」 あ、これ意外と怒られないパターン?そう思って調子乗った俺が間違いだった。 「入院してから束縛的なものが激しくなった気がするんですけど……あ、もちろん俺にまた同じ目に遭わせないためなのはわかってますよ?でも俺も友達は友達で大事にしたいという……か……」 「結局、自由がほしいって話か?」 「ああまあ……そう言われたらそう……かも?」 「なら話は早い。無理だ」 は……?いやまあ無理だと言われるのはわかってはいた。でも俺は何でもかんでも俺に許可なく全て決めてしまうこいつに腹が立った俺はキレた。 「いや……紫恩さんあなた自分勝手だと思いません?何もかも俺の許可なく全て決めてなんであなたが中心なんでしょう?俺の気持ちは?同棲だって……」 『ドンッ』 『ガッシャーン』 激しい物音と共に大声を出す紫恩さん。テーブル上に置いてあった花瓶をドアの方へ投げつけた。 「は……?何してんの?」 「お前誰に向かってそんな口の利き方してんだ?あ?自由になりたい?じゃあてめえはてめえの身を守れるのか?相手が銃口向けてきたら?また撃たれるのか?自分の身すら守れねえクソガキが自由とか言ってんじゃねーよ。あーくそイライラする。とりあえず出ていけ。俺が顔出していいと言うまで顔見せんじゃねえよ」 恐怖のあまり俺は泣き出してしまった。逃げるように部屋を飛び出しそのまま事務所も飛び出した。なんだ?これは俺が悪いのか……?とりあえず帰る家がない俺は瑞希の家へ駆け込んだ。チャイムを鳴らし出てくる瑞希に抱きついて。 「え?琉生?どうしたの?なんで泣いてんの?え?なんで裸足なの?情報量多すぎてなにから聞けばいいの?」 「海原先輩どうした……って先輩?!」 瑞希の家へ行くとそこには木南もいた。 とりあえず俺は落ち着くまで2人に背中を摩ってもらった。やっぱ俺にはこの2人が必要だ……

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