「最近、琉生と連絡とってる？」 「いえ、全く」 入院したかと思えば会社を移動させられるし、あの恋人ヤクザとの喧嘩の件もあってで心配してるにも関わらずくそ琉生から連絡がない。こっちから連絡しても返ってくることはない。おかげで琉生より木南といる時間の方が多くなってるし…… 今だって一緒にいるんだよ？きもくない？俺達マジでキモくない？ 「先輩」 「なに」 「ハンバーガー美味しいですか？」 「ああ、美味いよ！」 最近の俺達はというと毎日『琉生会議』を開催している。何するかって？そんなの決まってるじゃん。琉生について話すだけだよ。今日だって琉生会議のために集まった……多分。 「ねえさっきからジロジロ見てきてなに？」 「んー可愛いなあって」 「……最近そればっかだよな」 「可愛いもん」 そう、最近俺は木南に毎日こんな事を言われるようになってしまった。こいつ琉生のことが好きだったんじゃないの？しかも琉生と俺なんて真逆のタイプだよ？ 「琉生に振られたからでしょ？」 あ、心の声が。 「まあ確かにそう思われるのは仕方ないですよね。 でもいつの間にか目で追ってたのは瑞希先輩だったのに気付いちゃって。 そろそろ付き合いません？」 これ毎日言われんの。 「どうせ琉生に会ったらまた好きになるって」 「なりません。 確かに先輩のことは好きでした。めちゃくちゃ。 でも今は瑞希先輩が好きなんです」 ねえ、琉生会議は？なんでいっつもこうなんの？ 「……俺、男好きになったことなんてないんだけど」 「抱かれたくせに？」 「あれは……っ！「あれは何？」 後輩のくせにこうやって俺をニヤニヤとしながら見るの。意味わかんない。 「と、とにかくっ！俺は！好きな人としか付き合わない主義なの！」 「ふーん？じゃあ好きにさせればいいって事ですね？そりゃ簡単な話ですね」 「は？なにいっ……「１ヶ月」 「１ヶ月？」 「１ヶ月の間に好きにさせます。それでも好きにならなかったら諦めます。どうですか？俺にキュンキュンさせられてみるのは」 自信満々な笑顔でそんなこと言われたって俺は女の子しか好きにならないよ？確かに木南はイケメンだけど……。ゲイなのも知ってるけど。俺なんかよりもっといい人いるだろうに。 「絶対無理だからその条件飲むわ」 「それじゃ決まりですね。覚悟しといてくださいね？最終的に俺無しじゃ生きていけなくなりますから」 「（ゲッ……）」 琉生くん……こちらはこんな感じでございます。 いい加減に連絡を下さい。幼馴染が困っております。