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〜真実〜

――は?」 あの抗争のあと光輝さんと会うのも1週間ぶり。 千晴とも、もちろん会ってはいなく心配していた矢先『その犯人は僕が雇った殺し屋』なんてわけのわからないことを言いながら現れた。 「あ、でも殺させたのには理由があるよ?」 「理由?」 真相を聞くと鬼頭組の黒幕は首相の東だったらしく俺を拐えと命令したのもどうやら東。 俺はありがたいことに紫恩さん以外のヤクザ達にも愛されてしまっているみたいでそんな事実を知った千晴や光輝さん達は激怒。だから殺したらしいけど……俺のために殺人なんてしてほしくないのが正直なところだ。 「だからって殺さなくても……」 「んー?琉生くんは僕の大事な人だから。ヤクザに手出すとこうなるの。わかる?」 「だからって殺していい理由にはならないですよ」 「うーんー、まあ僕達ヤクザだから仕方なくない?あ、そうそう嬉しい情報あるんだけど聞く?」 どうせろくでもないことでしょ。 「蛇野郎のことで」 「え!聞きます!聞かせてください!」 全然ろくでもなくなかった。 「日本のトップが死んだ今、話題はそれで持ち切りだから蛇野郎はもうすぐ解放されるよ。だからそろそろ帰ってくるんじゃない?」 「でも証拠あるなら中々難しいんじゃ……」 「いや蛇野郎の親父がサツ脅してるって聞いたけど?」 証拠ってそういう意味? 『証拠がある』なんて言っていたけど正直、理解できてなかったんだよね。 「脅すってどうやって?」 「んーそうだね。サツが少女を、とかね?」 「は!? それ本当に!?」 「まあ詳しいことはバカ親父に聞いて?日本の警察なんて僕らヤクザより汚いよ?」 同じようなことを組長様も言っていたような…… 「まあ安心しなよ。鬼頭組がいなくなった今、当分もうこんなことはおきないよ。琉生くんが大事にしている人達は誰もいなくならないから」 正直、未だにヤクザという職業は理解できないけどみんな無事で本当によかった。 けど、こういうこと言っちゃうのあんまりよくないかもしれないんだけど、紫恩さん、千晴、光輝さんの最強ヤクザ達が集結したのはかなり痺れた。寧ろかっこよかった。 「……ありがとうございます」 「僕に惚れた?」 「いいえ、全く。けど……光輝さんもなんだかんだ紫恩さんが好きなのはわかりました」 「好きじゃないから!あんなクソ蛇!」 よく言うよ、本当に紫恩さんのこと嫌いなら今だってわざわざ報告なんかしてきてくれないでしょ。自分だって捕まってる紫恩さんを助けたくてしょうがなかったくせに。

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