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〜夢から現実へ02〜

――改めて……俺と結婚してくれないか? 俺はどうやらプロポーズをされたらしい。 しかも膝まづいて指輪パッカーンだ! 花束なんてあったりしない―― 「って、まじ?」 更にまた夢が叶ったらしい。 99本の赤い薔薇。スマホで検索したら『永遠の愛』らしい。 「あ、そ、その」 最強ヤクザの若頭がこんなロマンチックなことするなんて自慢したすぎる!!!! やばい!!可愛い!嬉しい!!幸せ!!! 「返事はですねー、えーと、そのー、」 俺の返事にソワソワしているのか足をゆさゆさしてる!!かわいい!!こういうのを尊いって言うんだな!あー!尊い! 「焦らすな。返事はひとつしかないだろ」 いやないよ!ないけど!そのソワソワしている感じなんてもう二度と見れるわけないじゃないか!今のうちに拝んどくべきだ!これは! 「俺だって人生のパートナーくらい選ぶ権利はありますよ?」 いや本当は今すぐにでも「結婚する!」って言いたいんだ! けど、この顔が可愛すぎて……これはキュン死レベルだ。 「……無理にとは言わん」 はあ?明らかに悲しそうな顔すんなよ! ダメだ。この男なんでこんなに可愛いんだ? 「結婚しよう!」 そう返事をしたら目を見開いて口が少し緩んだのを俺は見逃さなかったぞ! 「まあ返事はわかっていた」 照れている紫恩さんを前に、俺もこれでもかというくらいの全力笑顔で花束を受け取った。 そして膝まづいたまま指輪をはめてくれたんだけど嬉し泣きってよりニヤニヤが止まらん。 「ということだ。おいハゲ、車を表に回せ」 「かしこまりました」 紫恩さんの合図でどこからか湧いてきた男連中達。 「おめでと〜!」「若〜!!」「フー!!」と横からうるさいけど、今まで感じたことの無い幸せが俺を満たしたのは確かだ。 明らかに機嫌がいい紫恩さんは鼻歌を歌いながら俺の腕をブンブンと振って、たこ焼きさんの車へと連行していく。 「え?どこ行くの?」 「は?お前の両親のところだろ」 「は?嘘だろ?」 「は?その話じゃなかったのか?」 今すぐ行こうって話だったの? そもそも俺、両親の居場所なんて知らないけど? 「場所わかるんですか?」 「ヤクザをなめるな。お前の両親の居場所ならとっくに調べてある」 「逃げてたのは本当なんですか?」 「まあそれは直接聞けばいいだろ」 俺の両親なのに俺より詳しいな。 まあヤクザだしそれくらいのことを調べるのなんて朝飯前か。 1時間半ほど走った車は隣町の住宅街らしいんだけど…… 「は?この屋敷はなに?」 「お前の両親の家だ」 俺の目の前にある家は俺が昔住んでいた一軒家じゃなく、俺の知らない豪邸があった。

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