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〜なんで?02〜
息子を貰われるというのに逆に怒られてしまった俺を置いて三人は仲良くデリバリーを取って和気あいあいとしている。
でかいダイニングテーブルで隣同士で座る俺達。
母さん達と楽しそうに話している最中も俺の手を握って離さない紫恩さん。
「……」
三人で、式は海外で挙げるという話で盛り上がっている。
「紫恩くんに貰われるなら安心するわ〜♡」
「必ず一生幸せにします」
「やだもう♡私が言われたい♡」
母さんは昔から大のイケメン好き。
父さんのことも顔で選んだって言っていた記憶がある。
「式はいつ挙げるのがご都合が合いますか?」
「いつでもいいわよ?今すぐにでも♡」
「海外で挙げるとなると飛行機も用意させたいので」
飛行機を用意させるとは……?
「え!?プライベート用の飛行機とか!?♡」
「プライベート用ではないですが貸切にすることは可能です」
飛行機を貸切……?
え、怖い。怖いんだけども。
「飛行機を貸切!? もう!楽しみすぎて今から寝れないわ!」
そもそも飛行機を貸切ってことも意味がわかんないし、海外で本当に式を挙げるとして俺達はその後どうするんだ?向こうで住むとか……?さすがの母さんもさ、
「海外で式挙げるなんて言ってるけど挙げたあとどうすんの?向こうで住むの?それはさすがに母さん達も許さないよね?」
「……? 海外に住むから海外で式挙げるんでしょ?」
ん?え? なんの話し?
「日本じゃ同性婚認められてないから海外で籍入れて式を挙げるって話じゃないの?」
「うん、だからそのまま向こうに行くんでしょ?いいじゃない♡」
え?俺その話は知らないよ?
紫恩さんもなんで『なに馬鹿なこと言ってんだ?』って顔でおれをみないでくれ。
「俺達、海外で住むの……?」
「当たり前だろ?二人だけの生活を楽しもう」
「え?九条組の若頭が日本にいなくていいの?」
俺が気になっていることはこれと、あともう1つ。
「二人きりの生活を思う存分楽しんだら戻ってくる」
「じゃあ俺、仕事は?」
そう、仕事のこと。
瑞希達はビデオ通話でもすればいいしその辺は心配ない。けど、仕事は?
「やめればいいだろ。金なら俺が腐るほど持ってる」
いやそういう問題じゃないっていうか。なんというか。
「蒼空のことなら心配するな。そもそも俺はお前にあんな仕事をしてほしくない」
ん?あれ?俺の仕事内容は内緒のはずだったんじゃ?
「誰から聞いたの」
「蒼空を問いつめたら全部吐いた。腹が立って半殺しにしといた」
今まで仕事内容を聞かれて上手く誤魔化した俺の努力は水の泡ってわけね。
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