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〜結婚祝い〜

記者だという奴らたちも帰らせたし俺が全国放送で知られることは無事なくなったけど、こんな高級レストランでどんちゃん騒ぎはやめてほしい。 そんなことを思っていると組長様がマイクを持ち出して前に立った。 その瞬間、みんながシーンと静かになって組長様の凄さに改めて気付かされて。 そう言えば俺の婚約者はそんな凄い人の息子で若頭だったな〜なんて思って。 「皆様、今日はうちの息子と可愛い琉生くんのためにお集まり頂きありがとうございます。この度、九条組・若頭、九条紫恩は婚約致しましたことをこの場で改めてお伝えさせて頂きたく……えっと……忘れちまったからもうどうでもいいや。とりあえず皆様、盛大の拍手を〜!!!」 『若〜!!!』 『琉生坊〜!!!!』 え、普通忘れる?しかもどうでもいいとか言っちゃったけど? しかもこんな高級レストランで盛大な拍手なんて求めるな、馬鹿野郎。 「さてと……行くか」 「え、どこに?」 紫恩さんが俺の腕を掴んで前の方へと連行していく。 「えっと……とりあえず婚約致しました。式は来月フランスで挙げます。ここにいる全員に招待状を送る。絶対に来い」 『行きます!』 『若!』『若!』『いえーい!』 なんだこれ。もう俺、恥ずかしい通り越して次どんなサプライズが待っているのか楽しみになってるわ。 『キス!』 『キス!』 『キス!』 いや待て待て。それだけはよせ。絶対に。 どうせ式の日にするじゃん?別に今はよくない? ――え……?嘘だよな? 気付いたら紫恩さんの腕は俺の体に回っていてグイッと引き寄せられたと同時に唇が重なった。 『フー!!!』 『よっ!熱々!!』 誰だよ、熱々とか言った奴。 組長様の方をチラッと見てみるとなんか泣いてるし。 瑞希も子供みたいに泣いてるし。ちなみに木南も。 こいつらほんと頭おかしい。 「……お前ら俺の嫁に指一本でも触れるバカがいるもんなら躊躇なく殺せ、いいな?」 『『『かしこまりました!』』』 ああ……神様、仏様、閻魔様。 どうか来世はまともな人間に囲まれながらの式でお願いします。 そしてその後は皆でまたワイワイとしながらお酒を飲んでたんだけど俺はというと、このバカ達がなにをしでかすか怖いし飲まずに見守ってた。 「……もう無理。疲れた」 こんな高級レストランで申し訳ないなあと思いながらウエイターさんに頭を下げに行くと「素敵ですね」なんて言われて、ここのウエイターも頭がおかしいんだなんて思った。 でもまあ……紫恩さんが必死に俺のために皆を集めてくれたのかと思うと可愛いな。

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