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〜やっと〜
あの結婚祝いの後、紫恩さんが珍しく外出許可をくれた。
もちろん呼び出した相手は瑞希と木南で。
「琉生〜♡」
相変わらず瑞希は俺と会う度に抱きついてくる。
「改めておめでとうございます」
そして木南は相変わらず律儀。
「俺……お前らとこうして会えてもう嬉しくて涙でそうなんだけど」
「いや俺も」
「俺もです」
3人で仲良くファミレスの中で抱き合った。
「てか琉生はいつ向こう行くの?」
「ん、来週だよ」
「はあ!? 急すぎない?」
「まあ俺は拒否権ないからさしょうがないよね〜。ところで式来てくれんの?」
ファミレスで頼んだハンバーグを3人でむしゃぼりながら会話をする俺たち。
「行くけどさその後こいつとフランス巡りでもしようかなって思って」
あ、そういえばこの2人できてるんだっけ?
「そういえばお前らできてるんだったな」
「「……ん、ケホケホ。は!?」」
「え?」
2人して食べていたハンバーグで噎せるのやめてくれ。
まあ確かにこの2人出会った時からなんだかんだ相性いいなあとは思ってんだよな。
初めはよく言い合いしてたけど瑞希もなんだかんだ木南のこと心配してたし、木南だってそうだ。
「誰から聞いたの……?」
「誰からって紫恩さんがあいつら出来てるぞって」
「まだ出来てないから!」
まだ……ね。じゃあ今後は付き合うってことしか頭にないってことだよな。
さっさと付き合えばいいのに。そしたらダブルデートとか。
――あー!!すげえ憧れる。
「まだ……ですか」
そんなことを思っていると突然、木南が呟きだした。
「ん?お前はどした」
「それじゃ今後は付き合う可能性しかないってことですよね?」
お、俺と同じ考え。さすが木南!!
「いや、そ、そのえっと……ん?琉生助けて?」
「よし、木南いけ」
「はい!」
今、木南がしたいことそれは――
「いい加減、俺と付き合ってくれませんか?」
言っちゃった。俺ニヤケちゃうんだけど。
てか俺って必要あった?てかこの場にいていい感じ?
「だから俺は付き合わな――」
「おいくそ瑞希。それはよくないぞ?お前も好きなの丸わかりだから。取られる前に自分のモノにした方がいいと思うけど」
そうそう、ただでさえ木南はモテるんだから。
女子社員なんてみんな木南にゾッコンだぞ?
「……わかったよ!付き合うよ!はいはい!よろしくね!木南くん!ふん!」
瑞希の返事にニヤリと口角をあげて自分の方にクイッと顔を向けて木南は瑞希にキスをした。
「何すんだここファミレスだぞ!?」と怒る瑞希を愛おしそうに見つめる木南。
見せつけんなくそうぜえ!
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