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〜結婚したよ〜
無事にフランスへと到着した俺達。
「フランスやば!待ってめっちゃ最高!景色良すぎ!俺ここに一生住む!」
「……日本が恋しいみたいな雰囲気出しといて着いた途端それなのか」
「なんのことー?」
思った以上にフランスの景色が俺にドンピシャで。
しかもフランスの人みんな綺麗だしイケメンだしもうなんかほんと思った以上にヤバい。
「とりあえず市役所行くぞ」
「はーい」
実はというと飛行機の中で婚姻届にサインを書かされていた。
そしてそのままこれから市役所へ婚姻届を出すところなんだけど今日出したら今日が結婚記念日になるってことだよな?
普通、籍を入れる日にちとか決めない?と、ふと思ったんだけど俺と早く夫夫になりたいってことで何も聞かないことにしておく。
そしてそのまま婚姻届を出しに行って俺達は無事、夫夫となった。おめでとう。
「夜何が食べたい?」
そんなこと聞く前にちゃんと伝えなきゃならないことがあるでしょ。
「夫夫としてこれからよろしくお願い致します」
「ああ、こちらこそ。よろしく。愛してる」
「俺も愛してます」
やっぱり同性婚が認められている国だから気にせず街を歩けるっていうのはすごい嬉しい。
日本ではパートナーシップ制度はあっても同性婚はまだ認められていないし、まだまだ俺達みたいな同性カップルが堂々と手を繋いだり、キスをしたりそんなことが出来ないのは俺的にはちょっと悲しいなあなんて思ったり。
フランスの人達はみんな堂々と同性同士でも手を繋いでて「素敵な国だな」ってすごい思わされて。
「いい国ですね」
「そうだな」
本当に夫夫にしてくれてありがとうございます。
「で?夜は何が食べたいんだ」
「フランスと言えばパン……?とりあえずその辺のお店入るのはどうです?わかんないし」
「日本人の主食は米だろ」
「でもここはフランスなの!フランスで生活するんならパンに慣れなきゃいけないでしょ!」
生活……そういえば俺達ってどこに住むんだろう?家は?え、俺たちの家ってどこ?
「ねえ紫恩さん」
「なんだ」
「俺達の家ってどこ?」
「あーそういえば話してなかったな。こっちに俺の友人がいるんだがそいつに用意してもらっている。心配すんな」
まさかだと思うけどその相手って絶対、
「ヤクザ……?」
「いや警察官だ」
「はい?」
俺はなにか知ってはいけないようなことを知ってしまった気がする。
「警察官とヤクザが仲良くしてていいの……?」
「あいつは警察官ってよりほぼこっち側の人間だから大丈夫だろ」
あ、うんそういうものなのね。
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