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第103話

「俺達って食の好み合わないよね」 「だな。お前のセンスを疑う」 「はあ?こっちのセリフだわ!食の好み合わないのって結構危ないんだってさ」 「……しょうもないな」 まあ紫恩さんはそんなことを気にするようなタイプではないよなとも思う。 結局、俺の好みに合わせても食べてくれるし。 まあ文句は言うけど。 「だけどシチューはご飯にかけない派の方が多いと思うよ」 「そいつらの舌がおかしんじゃないのか?」 「こら!」 シチューにご飯なんて牛乳をかけてるようなもんだろ。 それを言うと「それとこれは話が別だろ」なんて言ってた。まあそれとこれは違うか。 紫恩さんはご飯を食べ終えた後ちゃんとシンクにお皿を持っていくし皿洗いもしてくれる。 洗濯だってしてくれるし、掃除だってしてくれる。 若頭がだよ?だから不満なんてあるわけもなく…… 「仕事もしてるのに疲れないの?」 「疲れるってなんだ?そもそもわからん」 「人間じゃないんじゃない?」 「じゃあ確かめてみるか?」 「え?なにを?どうやって?」 「体で」 いや不満一つあったわ。 この人いきなり襲ってくるんだよ、いっつも。 イチャイチャしている時とかじゃなくて本当いきなり。 洗い物している時に急に俺の息子を触ってきたりと……ほんとド変態野郎。 「いや……遠慮しとくよ」 「遠慮なんてするな。ケツ突き出せ」 「ば、ば、ばかじゃないの!? やだよ」 どうやら俺の言葉に腹が立ったらしく腕を掴まれてそのままベッドへと投げられる俺。 「な、なんだよ!」 「うるせえ口だな。黙らせてやる」 「んっ、んあ、や……やめっ、やめろ!」 「あ?安心しろ。お前の好きな場所は把握済みだ」 そういうことじゃないってば!!! 紫恩さんの指はいつの間にか俺の後孔へと入っていく。 「ここだな」 「んっ!?……い、や、んあ、っやめ、て……」 いつも俺の好きな場所を攻めるときこの男はペロリと舌を出す。ほんとさすが蛇…… 「やめてもいいのか?」 「……や、やめな、いで……んっ、う、」 「可愛いなお前」 こうして俺はいつもいつも毎日毎日、この男に抱かれ続け、俺も俺でこの男のテクニックのせいで頭がおかしくなってしまう。 そんな繰り返し。身体中には「俺のもの」という愛の印だらけだし、専業主夫だからいいものの…… まあ確かにつけたくなる理由もわかる気がする。 だって俺……フランス人にめちゃくちゃモテるんだもん。 日本ではあんだけモテまくりだった紫恩さんが「ブス」と言われてるのが面白すぎて堪らない。 ふふふ……ざまあみろ!蛇野郎!

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