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第12話 R18
Domの橘はどうやらSubを甘やかして、着飾りたいヤツらしい。
あの後、何回か橘とプレイをする中で俺のリミット『限界』を見極めてくれたり、好みを確認してくれたりと、俺にあまり負担が無いように気を使ってくれる。
普段の時でも、いきなり俺の爪を切りたいと言い出したり、この前はシャンプーをさせてくれとお願いされた。
一昨日はハウスキーパーの仕事が休みだった事もあり、俺は自宅でのんびりと愛猫二匹と過ごしていたら、いきなり連絡を寄越してきて、橘の部屋に顔を覗かせると、百貨店の外商員数名が大量の服を持って来て、着せ替え人形よろしく色々着せられた挙げ句、馬鹿高い服を何着も俺用に買おうとするので止めさせると、どうしてもと懇願されて一着買って貰った。
それでも上下でウン十万する代物だ。
何もお返し出来ないと言っているのに、最終的には
『Domはそういう生き物だろう?』
と言われてしまえば、そうか。と納得せざるを得ない。
きっと橘の今までは、こういう世界が当たり前だったのだろう。
Domの中には、自分のSubに対して着飾りたいという欲求を持っている者もいる。それを拒否すれば、それはそれでDomのストレスになってしまう。だから自分と相手の負担にならない間を取るのが一番良い。
だからこそDomとSubの間柄では、信頼関係が大切になってくるのだ。
日毎に橘とのプレイは高度さを増してくる。俺のリミットを見極めながら、それでもDomの本能を満たしたい橘との欲のせめぎ合い。
でもまぁ、なんとか上手くいっていると思う。
抑制剤もジムに行く時は飲んでいるが、以前の一番キツいものから変えた。買い物に行かずに橘の家で仕事をする時だけはその抑制剤だけでも、Domのフェロモンを感じられるから。
橘が休みとかで一日俺と一緒にいる時は、飲まないようにしている。例えばまれに一緒に外出しても橘がフェロモンで他のDomを寄せ付けないようにしてくれるので、楽だ。
抑制剤の種類を変えたのと、飲まない日ができたことで、俺の体調は格段に良くなった。キツい薬は副作用もあり、俺の場合は倦怠感や睡眠がうまくとれない事だったが、薬を変えてからは前に比べると長く眠れるようになったし、倦怠感もさほど感じられ無くなったから。
ただ、一つ不満があるとすれば、それは橘が俺に挿入しない事だ。
指や舌、玩具を俺の中には入れるくせに、絶対に自分のモノは挿入しない。
一度我慢出来なくて、プレイ中に懇願した事があるが、それでも素股で終わってしまった。
何故、俺に挿入しないのかプレイ後に聞けば
『まぁ、基本的にはプレイするSubに挿入はしないようにしているが……。パートナーになればやぶさかではない……』
と、濁された。
毎回ガチガチに勃たせているくせに、俺の中には入れてくれない。プレイ後に一人で抜きに行く事がほとんどで、素股をするのも稀だ。
Subの多頭飼育をしていた橘が、今までそのSub達にはほぼ挿入はしていなかった事実と、恋人には最後までしていたという事に、俺はモヤリとした感情に包まれる。
それはプレイで最後までしてもらえない欲求不満からくるものなのか、はたまた俺が橘に対して持っている恋愛感情からくるものなのか……。まだ自分の中でもはっきりしない気持や誤魔化したい部分が多々ある為、そのままその感情を放置している。
まだ知らなくていい。まだ………。
その感情が自分の中ではっきりしまえば、橘の側にいられなくなりそうで……。だからまだ俺はプレイできるSubのままで良いのだ。
今日は、橘が休みの日なので昼前までユックリ自宅で過ごしている。が、ソロソロ橘を起こしに行って昼食を作らないとな~。と思い、俺は自宅を後にした。
橘の部屋に上がるのも、もう慣れたもので、俺はカードキーで玄関を開けると靴を脱いで、先ずはキッチンに向かう。
昼食を作ってから橘を起こすのが決まりだ。起してから直ぐに食べられるように用意をする。
確か冷蔵庫の中には……、アレと、アレとアレと~、と視線を上にあげ廊下を歩いていると、リビングから人の声。
ん?もう起きてんのか?珍しいな。
誰かと電話でもしてるのだろうか?とリビングの扉を開けると
「話す事はもう無い、帰ってくれないか?」
「は?一方的に話を終わらせて意味があるのか?」
と、橘と同じ位の背丈の男性が俺に背中を向けて橘に何か言っている。
「あ………」
入ってきてはいけない雰囲気に、ドアノブを掴んだまま俺は固まってしまうと、俺に気付いた橘があからさまに嫌そうな顔をするので、そのままソッと扉を閉めようとコソッと俺は自分の方に扉を寄せると
「誰だ?」
橘の表情に、自分の後ろに誰かいる事を察知したその男は、バッと振り返り俺を視界の中に入れ
「なんだ英臣、今度は男のSubを飼っているのか?」
あからさまに俺を値踏みするような、不躾な視線を俺に向け、頭から足の爪先まで視線を泳がせるとハッと鼻で笑い。
「この前ここに送ってやった女のSubよりも具合が良いのか?とてもそうとは思わないが?」
軽蔑した視線で口元を歪め俺にそう言ってくる相手に、俺は眉間に深く皺を寄せて
「誰だアンタ?失礼だな」
と、こぼした瞬間
「Kneel」
男がそう言った途端に、俺の両膝はガクリとその場に崩れ落ちて、床に尻を着けてしまう。
「オイッ!止めろ!」
橘が大声を出して、俺の側まで来ようとしたが、その男の近くに寄った時に肩を掴まれ
「なんだ英臣、躾もできてないのか?」
「うるさい、コマンドを解け」
「あ?誰にものを言っている?」
途端に俺の目の前で二人がGlareを始める。
その圧に、お座りをコマンドされている俺は動けずに、二人分の圧を体に受ける事になるわけで………。
なんなんだよッ、コイツ等!
自分をコントロール出来ない息苦しさに、俺は徐々に首を下にさげて項を晒してしまう。
……………ッ、百歩譲って項を見せるのはしょうが無いが、これ以上コイツ等の圧を受けていたら、腹を見せる事になる。それは、嫌だ。
俺の意思を無視しての服従のポーズは、屈辱的だ。そうなってしまえば俺は容易くサブドロップしてしまう。
「お前のマーキングの匂いはするのに、躾がなってないんじゃ無いのか?」
「私はお前等とは違うからな、Subを強制的に躾ないんだ」
「は?SubはDomにかしずくのが当たり前だろうがッ、まだそんな甘い考え方してんのか?」
「お前等と私では、考え方自体この先ずっと平行線だ」
「ハッ、逃げたのはお前だろ?」
「それで正解だったがな、何、羨ましいのか?」
「あ゛ぁ゛ッ?」
会話の内容から、橘の親族だなと推測するが、こんな低俗な口喧嘩マジで止めて欲しい。
床に体が倒れないように腕を突っ張っているが、ソロソロ限界だ。ガクンッと腕が倒れてしまえば、床に寝転がり腹を仰向けにしたい衝動が止められなくなる。
「止め、ろ……ッ!」
息も絶え絶えに、喉から絞り出すように呟いた俺の声が橘に届いたのか、一瞬後にはフワリと橘の腕の中に包まれる。
「すまない、大丈夫か?」
「オイッ!!話は済んでねぇッ……」
「帰ってくれないか?じゃなきゃ恭司に言うぞ?」
「ッ……!」
相手が橘の言葉に動揺したのか、圧が瞬時に弱くなり、俺は腕に抱かれたまま、ハァッ。と大きく溜め息を吐き出す。
「どうせ今日ここに来た事も、言ってないんだろう?」
「ッ……、うるせぇッ!お前が好き勝手してるからだろうがッ」
「ハッ、だからお前がどうにかしようと?無駄だろ。それ位解ってるだろ?」
「あ?お前が解ったような口聞くんじゃねぇ……」
恭司と呼ばれた人は誰だ?その名前が出てからみるみる圧が無くなっていく。
俺にかかっていたコマンドも無くなり、普通に呼吸ができる。
「そうか?どうしても嫌なら本人が直接私に言ってくるだろう?」
「………、チッ。興が削がれた、長谷川に言っとけよ!」
捨て台詞を吐いて、男はドカドカと部屋を出て行く。
「大丈夫か?」
心配そうに俺を見る橘に、俺は小さく溜め息を吐き出し
「アレ、誰?」
と、問うと
「次兄だ、すまないな君が来るのは解ってたんだが、連絡出来なかったんだ」
ユックリと俺の体を起こしながらそう言う橘の顔をジッと見詰めていると
「どうした?ソファーに座るか?」
優しく俺をソファーまで連れて行き座らせる。だが、俺はまだ橘の顔を見詰めたままだ。
そんな俺を見ながら、何が言いたいのか解った橘は、俺の隣に腰を下ろして一度深く溜め息を吐き出す。
「アレは私の双子の兄で将臣と言う。仕事の事でちょっと実家と揉めててな、文句を言いに勝手にアイツが来たんだ」
説明しろと言わなくても、橘は俺の心情を察してくれて、ポツリ、ポツリと話し始めた。
「恭司って言う奴は?」
「ん?恭司か?……、それは長兄だな」
「ソイツの名前言ったら、さっきの奴圧が弱くなったな……」
「ハハ、まぁアイツの弱点だからな恭司は……」
「弱点……」
次兄にとって、長兄が弱点になり得るだろうか?家族だろ?
橘の台詞に俺は、?が飛んでいたのだろう、小さくクスリと笑った後
「極度のブラコンなんだアイツは……、イヤ、心酔してると言って良いな……」
言いながら橘は俺の肩に腕を回して、トントンと肩口を優しく叩く。
「両親共、仕事人間だったからな、恭司がほぼ私とアイツの面倒を見てたから……、アイツは恭司にベッタリになってしまった」
「そんなもんか……?てか、アンタが大丈夫なのか?」
回された腕にもたれ掛かるように頭を置いた俺に、橘は嬉しそうな表情で
「私?」
と、何の事を大丈夫だと言われているのか解らないと言った口振りだから
「イヤ……、仕事。実家と揉めてるって」
「あぁ、大丈夫だ。文句があるなら恭司から直接何らかしらのアクションがある。アイツが勝手に騒いでるだけだ」
俺が橘の事を心配したのが嬉しかったのか、チュッ、チュッと音を立てて俺の髪にキスを落とすと
「君も大分、他のDomからGlareを受けても耐えられるようになったな」
「そう、か………?」
確かに。軽い抑制剤を今日は飲んでるといっても、あれだけの圧を受ければ前の俺ならとっくにサブドロップしていただろう。だが、耐えれたという事は、橘とのプレイで俺も少しづつ耐性ができてきたという事か……。
グッ、ググルゥゥ~……。
腹の虫が橘から聞こえて、俺はバッと顔を橘の方に向けると、空いている方の手を顔面にあてて顔を赤らめている橘がいる。
「ハハッ、アハハッ!珍しいッ、久し振りに聞いたぞお前の腹の虫ッ!!」
「…………ッ、朝からアレだったからな。腹が減ってたんだ……」
バツが悪そうにモゴモゴ喋る橘に、俺は立ち上がると
「チャチャッと作るわ」
言いながらキッチンへ足を向けるが、咄嗟に手首を掴まれる。
「イヤ……、本当にもう大丈夫なのか?」
探るように橘が俺に聞いてくるが、俺は笑いながら
「ん?あぁ、平気だな。お前に肩口叩かれてたし」
「そ、……うか……」
俺の台詞に橘は、キョトンとした顔をしながら返事を返す。その橘の反応に、もしかしたらコイツは無意識に俺を落ち着かせようと肩口を叩いていたのか?と思いながら、俺はキッチンで少し遅めの昼食を作った。
一緒に橘と昼食を食べていると
『確かめたい事があるから、食べ終わったら私の寝室に来てくれるか?』
と、橘から言われていた。
食べ終わり、俺は食器を片付けながら、確かめたい事とは?と考えていたが、何も思い浮かばない。
橘は食べ終わると早々に寝室へと行ってしまって、何も聞けなかった。
食器棚へ食器を戻すと、俺は寝室へと向かう。
コンコンコン。
返事は無いが、俺はガチャリと扉を開ける。
扉を開ければ、部屋中に橘のフェロモンとDomの圧とが充満していて、俺は一瞬部屋へと入る事を戸惑う。
「何してる、入りなさい」
ベッドへ俺と対峙するように座っている橘が、扉の前で固まっている俺にそう言うので、俺は恐る恐る一歩を踏み出す。
「Come」
橘の何がスイッチを押したのだろう?こんな昼間からプレイをするのは初めての事だ。
俺は橘に言われたコマンド通りヤツの近くへ行くと
「Kneel」
先程の俺のコントロールを奪うようなコマンドでは無い。
俺はこのコマンドに自分で従うのだ。
橘の脚の間にお座りすれば、目の前にいる橘の手が伸びてきて、俺の頭を優しく撫でる。
「GoodBoy」
褒められ俺は撫でている橘の手に自分の頭をスリと擦り付ける。
「ほら、こっちだ」
反対側の手が自身の太腿を叩いたので、俺は橘の太腿の上に頬を預ける。
「良い子だな」
頭に乗っていた手が、俺の頬や耳、首筋を撫でる。俺はそれに目を閉じて、ハァ。と溜め息を漏らす。
と、
「石川君、聞いてもいいかい?」
撫でながら少し緊張気味に俺に聞いてくる声音に、俺は顔を上げる。
「なに?」
プレイ中に改まって聞いてくる橘の様子に、俺も少し緊張気味に返すと
「君、前にDomに対してしたくない事がフェラチオって言ってたよね?」
…………………、まさか
「………、だから何だよ?」
もう橘が何を言いたいのかは解っていたが、俺はあえて聞き返す。すると困ったような表情で
「試してみないか?君のリミットを押してみたくなったんだが……」
表情は、どうだろう?と聞いてきているくせに、目が有無を言わせない色を漂わせている。今日、拒否ったところでいずれは橘の欲が勝って同じ事を言われる。
なら、
「……………、いいぜ」
こう言った方が良いだろう。
「良いのか?」
俺の返答が意外だったのか、一瞬橘は戸惑うように聞いてくるが、俺は太腿に顔を置いたまま、フハッ。と笑って
「今日嫌って言っても、いずれはまた同じ事聞くだろ?………、それに俺も、試してみたくなった」
これは本音だ。橘とプレイをするようになって、俺がどれだけ昔のトラウマを克服出来ているのかも知りたい。
それに橘は、俺に酷い事をしたDomでは無いときちんと俺が認識出来ている。その中でもう一度俺がDomを受け入れられるか。俺自身も試してみたくなった。
「………、ありがとう」
俺の返答に、橘は一度フワリと笑うと上半身を折って、俺の髪に口づけすると
「じゃ、俺のモノをパンツから出してくれるか?」
橘のコマンドに、俺は太腿に置いていた顔を上げると、一度橘の顔を見詰め次いでは自分の正面にあるパンツのボタンとジッパーを外す為、両手をあてがう。
ゴソッ、スリリ、プッ、ジ、ジィ~……。
俺が意識してしまっているのか、布ずれの音がやけに大きく耳に入ってくる。ジッパーを下げて前をくつろがせると、まだ反応して無い、下着にきれいに収まっている膨らみが目に入る。
それを目の前にして一度コクリと喉が鳴り、俺は橘の方に顔を向けると
「腰……、上げて欲しい」
緊張に少し声が枯れ、俺はケホと咳払いすると、橘は小さくクスリと笑って
「可愛いお願いの仕方だな」
と、俺が言う通りに腰を上げてくれた。
俺は両手でパンツと下着を両方持つと、ズルズルと橘が腰を上げてくれる間に下におろす。
どこまで下げれば良いのか解らず、とりあえずは全部脱がせた方が良いのか?と足首まで下げてから、そのままの勢いで足からもそれらを引き抜いた。
傍らに脱がしたものは一応畳んで置いて、再び橘の脚の間に自分を割り込ませるとマジマジとは見たことの無かった橘のモノと対峙する。
きれいに剥けている橘のモノは、通常でも一般的には大きいとされるサイズに分類されるのだろう。俺が付き合ってきた人達よりは大きいと思うし、よく見るAVの男優位はあるんじゃないのか……。と、思う。
通常でこのサイズ……。なら勃起した時は更にデカくなってるという事で……。
素股の時でさえ、あまりマジマジとは見ていなかったので、目の当たりにして俺は少し狼狽えている。
「どうした?可愛がってくれないのか?」
上から橘の声がして、俺は一度チラリと視線を移すと、獰猛さが滲んでいる雄の顔付きで俺を見下ろしている橘の顔とぶつかり、カアッと自分の顔が赤くなるのを感じて、視線を外す。
こんなにも俺に欲を露わにした橘の顔を見るのが初めてで、今度はゴクリと喉が鳴ってしまう。
「……、ゆっくりで良い」
言いながら頭を撫でられれば、俺はまだ反応して無い橘のモノを片手で持つと、よく見えるように口を大きく開けて、舌を伸ばし持ち上げた竿の裏筋をゆっくりと舌で舐め上げ、それを何度か繰り返す。
次は竿を顔を横に向けて唇に挟み、唇を上下に動かして、その間空いたもう片方の手で、柔らかい玉を揉みしだく。
「ハッ……、上手だな……ッ」
頭を撫でられながら、上から橘の気持ち良さそうな声が鼓膜を震わせるので、ズクンッと自分の腰の辺りにも甘い痺れが広がる。
徐々に俺の口淫で硬度を増してくるモノは、俺の舌と唇で唾液にまぶされて厭らしい音を出し始め俺の鼓膜を刺激し、音に煽られた俺の下半身も、無意識にモジモジと揺れ始める。
橘のモノが完勃ちすると、俺はカリの部分に手を移動させ持ち、舌を伸ばして鈴口にあてがいモノを上下に振ると
「ッ……」
俺の動作に橘は微かにビクッと太腿を揺らし、息を飲む。
気持ち良いのだ。橘は竿よりも先端がお好みらしい。
タップリと唾液を絡めた舌で先端を苛められる気持ち良さに、どんな表情をしているのかと気になりチラッと視線を上げると、快感を引き伸ばせようと我慢し、苦しそうに眉間を寄せながらも俺を組み伏せたい衝動に、少し瞳孔が開き俺を見ている目とバチリと視線が絡む。
ゾクゾクゾクッと腰から背中にかけて電流が流れているような気持ち良さに、俺は背中を反らして眉間に皺を寄せる。
なんて顔してんだよッ!
「フゥゥン……ッ、ンッ……ンッ……」
橘にそんな表情をさせているのは自分なのだと認識してしまえば、堪らなくなって甘い矯声が鼻から漏れてしまう。
「ハハッ……、可愛い顔に、なったな……ッ」
頭に置かれた橘の手は、スススと俺の耳に下りてきて指先で俺の耳を弄り始める。その愛撫の仕方が、くすぐったさと気持ち良さの間で、俺はピクピクと体が揺れてしまうと
「オイ、ちゃんとフェラしろ」
快感に一瞬手と舌を離すと、不機嫌そうにそう上から言われ、俺は自分の手にタップリと唾液を絡ませると再び橘のモノに手を伸ばし、カリ部分を握り今度はそこを少し手に圧を加えて扱きながら、舌を伸ばして鈴口を舌に押し付けた。
「ッ……、ハッ……ァ……ッ」
途端に橘の吐息が漏れるのを聞き、俺は扱いている手の動きを早くする。時々扱いている手が摩擦で乾くので、その都度舌に押し付けている亀頭を口の中に入れ、カリと指を唾液で濡らす。そうしてまた口から出すと、舌先で鈴口を押し付け、滑りの良くなった指先でカリを扱くのだ。
「……ッ、クッゥ……、ッ」
堪らずといった感じで、上から吐息が聞こえ、追い上げるようにする。
出せ、出せよッ。
橘のモノはビクビクと震え、その振動が舌先に伝わってくる。
俺は少し出させようとムキになって扱いていると、橘の両手が頬を撫でてきて
「なぁ……、咥えるのは、無理か……ッ?」
その言葉に俺は動きを止め、視線だけ橘に向けると
「抵抗、あるか……?」
言いながら頬に触れている両手から親指だけを俺の唇の両端に添えてるが、それが徐々に口の中へと入ってくる。
俺は橘のモノから口を少し離して、橘の好きなようにさせていると
「ここからゆっくり咥えて、舌で俺のを十分に味わった後、君の好きなところを擦ると良い」
言いながら橘は俺の口の中に指を入れ、俺の舌を指先でくすぐり、挟んで扱く。そうして上顎に移動させ、指の腹で上顎をスリリッと擦る。
「フゥッ……、ンッ、ンゥ……ッ」
想像させるような指の動きに、嫌悪感よりも快感が先立つ。
勃起したモノを咥える事に不安はあった。
無機質な玩具ならまだ大丈夫なのだが、生身のモノはあの一件以来、咥える事はおろか触った事さえ無かったから。
だが、橘のモノは触れて、舐めれたのだ。
だから、大丈夫。
「できそうか?」
理性と欲望が葛藤している目で、心配そうに呟く橘の台詞に
「……………、する」
「……………ッ、良い子だ」
一言囁くように呟やかれ、俺は口を開けて橘のモノを招き入れた。
その瞬間、口の中でビクビクと橘のモノが震えて、先程よりも質量と硬度を増す。
言われたように咥えた口の中で舌を動かし、味わう。ほぼ無味だが、少し塩っぱい味と、先走りの味がする。それと、橘の雄の匂いだ。咥えている亀頭を愛撫するため、首をスライドさせると、カリ高の切っ先が俺の上顎を擦る。
「フゥンッ……、フゥ……、フゥッ……ン」
思いの外擦られる事が気持ち良くて、自分で狙ったようにそこばかり擦っていると
「気に入ったのか?」
優しく頭を撫でながら橘が呟くので、視線だけ橘に向ける。向けた先には、楽しそうに口元を歪めてはいるが、目は雄のまま。
その視線と絡んでしまえば、這い上がってくる快感にユルユルと腰が動く。
俺は亀頭を、ジュボッ、ジュボッと音を立てながらしゃぶり、竿に手を絡めて扱き上げると
「ッ……、気持ち良いよッ……」
気持ち良さそうな素直な反応が返ってくると、その嬉しさに追い上げるように吸い舐ってしまう。だが
「Stay」
ここで、橘は『待て』のコマンドを使う。
「アッ………、なん、で……ッ?」
もう少しで橘も気持ち良く射精する事ができたのに、どうしてここでそのコマンドを使うのか理解できない。
俺は口から唾液と先走りで糸を引くモノを出して、次のコマンドが言われるまで、橘の顔を見詰める。
「おりこうだな、ちゃんと待てできてる」
指先で俺の首筋を撫でながら言われ、俺は少し腰を揺らしてしまうと
「君の、ここまで受け入れてくれないか?」
撫でていた指をスリと俺の喉仏まで伸ばし、橘は軽くそこをクッと押す。
「フェラはできたな、ではもっと深くまで犯したい」
俺のリミットを探るように橘が呟く。
本当は何も言わずにイラマチオする事もできたが、自分の欲を抑えて俺の負担にならないように聞いてきてくれるのだ。
どうだ?とは最後まで言わず、俺の様子を伺っている。
恐怖はある。だが………、希望を叶えてやりたい気持ちも、ある。
俺は少しの間橘と見合っていたが、何も言わずにゆっくりと口を開ける。
それで、俺がどうしたいのか橘は理解し
「うん……、ありがとう。偉いな、君は」
俺が受け入れると伝わったのか、優しい表情で俺の頭を撫でた後、髪にキスを落として
「口はそのまま大きく開けて、喉を開いて……、歯は唇でカバーするように窄めるんだ。解るね?」
俺の口の中に再び指を入れて、クチュクチュとレクチャーしながら、触り愛撫する。
「もう少し、こちらに来なさい」
立てた膝を少し橘の方に移動させると、橘は両手で俺の頭を抱える。
「ホラ、咥えて」
言われて俺は橘のモノを掴むと、自分の唇にあて、ゆっくりと口を大きく開ける。そのまま奥まで呑み込むと、ユルユルと顔をスライドさせていく。
「ン゛ッ……、ぅウン、グッ……ッ」
まだ怖くて全部は押し込めていないが、嘔吐く手前までは頑張って入れている。
飲み込めなかった唾液が口から溢れて、顎を伝い俺の太腿へと糸を引く。
「ッ……、ン、上手だな」
固定されて持たれている両手の指先を、チロチロと揺らして、俺の耳朶を撫でながら橘が褒めてくれる。
その一言で俺は、苦しいから気持ち良いに脳が変換され、シビビビビと快感が上がり全身に鳥肌が立つ。
俺の感覚が変わったのが解ったのか、頭を抱えていた橘の両手にグッと力が入ったと思ったら
ドチュンッ!
一気に喉ちんこの奥まで橘のモノが押し入ってきて、次いでは強烈な嘔吐感に喉がオ゛エッ。となる。
だが、橘はそこで止めなかった。
俺の頭を抱えた両手が、俺の意思とは関係無く俺の頭をスライドさせる。迫り上がってくる嘔吐感に涙が溢れ頬を伝うが
「ホラ、教えただろ?喉を開けるんだ……ッ、ン、そうだ……、上手、上手」
「ンッグゥッ……ガッアァッ……、グフッ」
言われたように喉を開き、歯があたらないように口を窄めると、橘の呼吸が荒くなってくる。
感じているのだ、俺の口淫で……ッ。
その事実に、苦しいはずなのに俺の中心のモノはバキバキに勃ち上がり、ボクサーパンツの中で何度も射精に近い先走りが漏れる。
俺は堪らずに、自分の両手を橘の太腿へと伸ばし、スリスリと撫でる。
「……ッ、ハッ……君も、気持ち良いの?」
苦しさは当然あるものの、それを上回る快感に包まれている俺の意思表示を橘は汲み取ってくれ、嬉しそうに答えながら俺の髪にチュッ、チュッと音を立ててキスをしてくれる。
その行為に俺の気持ちは満たされると、もっと橘に気持ち良くなって欲しくて、もっと深く、もっと深くと咥え込む。
自分の鼻先と唇に橘の陰毛があたり、より濃い匂いに酔ってしまう。
ア……ッ、ムリかも……。
触っていない自分のモノがビクビクと震えて、達してしまいそうな感覚に自身で興奮する。
「ハッ、ア……、はぁッ、喉奥、……、締めれるか?……ッ、舌を……上に、持ち上げる……ッ、クッ、感覚で……」
ガポッ、ガポッと揺すられながら、俺は言われたように舌を上顎へ引っ付けるように意識すると、自然と喉が締まり橘のモノを食い締める形になる。
「あ~……ッ、上手、……ッ出、るッ……、イクッ……、イクッ」
すると、喉奥で一度グァッと橘のモノが大きくなると、そのままビクビクと痙攣し青臭い体液が喉奥へとなだれ込んでくる。
ア……、イってる……ッ、俺の口淫で……、気持ち良くなって……ッ精液、出してるッ……。
素股では無く、俺の口を道具として使って橘が達した事実に、俺は何故か満たされ、気持ち良くなって次いでは何もしていない自分のモノから勢い良く吐精している快感に、全身を震わせた。
ハァッ、嘘、だろ……ッ?触って……ね~のに……ッ、気持ち、良い……、気持ち、良いよぉッ……。
無意識に流れ込んでくる精液を嚥下し、太腿に置いていた手に力を込めてしまう。
ハァッ、ハァッと荒い息を吐き出して、橘がゆっくりと俺の口から自分のモノを抜くと、俺の唾液と精液が混じって白く糸を引いている情景にさえ、ゾゾゾッと快感が背中を登ってくる。
橘は放心して、快感の余韻に浸っている俺を抱きかかえると、そのままベッドへと一緒に寝転がり
「頑張ったな、偉いぞ」
と、背中を撫でてくれるが、それさえも気持ち良さに変わってしまって、俺は小さく喘いでしまう。
俺の変化に橘は、視線を俺の下半身に向けると
「……ッ、イったのか?」
問われれば、恥ずかしさに顔を赤らめてしまうが、俺は素直にコクリと頷く。すると橘は俺が履いているパンツに手を掛け
「続き、しようか?」
と、耳元で囁いた。
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