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身請け
「ルカ…ごめん。怖かっただろ?」
「え?」
八雲の突然の謝罪にルカは驚いた。
先刻までのイラだった感じとは違い優しい雰囲気の八雲はルカからそっと指を抜き、ルカの体を抱きしめ首元にふんわりとキスをした。
「ん…くすぐったい」
「自分でもよくわからないけど…ここのところ嫉妬の感情がすごいんだ。おまえが他のやつに抱かれているのを見ると…ひどくむしゃくしゃする。こんなことははじめてで正直戸惑ってる」
「そんなこと言われても…俺はここの奴隷だから」
「分かってる。だから…一緒に暮らそう」
ルカから体を離し、真剣な眼差しで八雲は提案した。
「は?」
「だから、おまえを身請けするって言ってるんだ。もう支配人に話はついてる。予定はもう少し先だったけど明日発つよ。いいね?」
いきなりの申し出にルカは戸惑い、何も言えなかった。
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