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旅立ち

「マジに連れていっちゃうんだ?」 「ああ。ルカが世話になったな」 久遠が驚きに目を見開き、八雲とルカを交互に見た。 ルカはいつも着させられている露出の多いやらしい服じゃなくてちゃんとスラックスに長袖のシャツを着て、可愛いらしいリボンタイまでついている服を着させてもらっていた。 しかし 不安なのか八雲の服の裾を握っているのがいじらしく見える。 「八雲さま…ねぇ、ほんとに出て大丈夫?」 「ルカ怖がらなくて大丈夫。話はついてる。行くよ」 ルカは八雲に連れられ、二度と出れないと思っていた外へと出た。 光がまぶしい… 外へ出ると目の前に黒塗りのベンツが店の前に横付けされており車の隣には白い髭の生えたおじいさんが控え、おじいさんは2人を見ると車の扉を開けた。 「乗るよ」 「どこに?」 ルカは八雲に促され革張りの椅子に座らされ、おじいさんにより扉が閉められた。 「我が家だ。今日からお前の家。少し遠いから眠るといい」 おじいさんは運転手のようで、後ろの安全を確かめて車を発進させた。 八雲さま…何者?

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