28 / 117

26

side.Tamotsu 「うぅ…少しだけって、言ったのに…」 明日行けば学校も休みだけどさ。 僕の身体は既にガッタガタ。腕すら上げたくないぐらい、鉛みたく重いや…。 「あ?お前があんま可愛いコトばっか言うからだろ。」 あれだけ激しく動いてたハズなのに…。 いつもと変わらず、上半身裸で色気だけは割り増しな上原君。 「僕、絶対可愛くなんかないもん…」 どう見たってフツーだよ? 寧ろショボいって言われそうな部類の存在だよ? なのに隣りで寝転んでる上原君は、ちょっとエッチな眼差しで僕を見つめてきて… 「可愛いーさ。じゃなきゃ俺が惚れるワケねぇ。」 そう囁いて、身体をくっつけ何度もキスをしてくれた。 「僕って卑屈になり過ぎなのかなぁ…」 自分に自信ないと、どうしてもマイナス思考になっちゃってさ。 そのうち上原君が呆れてしまって、離れてくんじゃないかって思ったら。どんどん自己嫌悪にハマって真っ逆さま…良くないよね、こういうの。 文化祭は最高だった。 今まで一番楽しかったって断言出来る。 キミと恋人になれただけでも奇跡的なのに。 こんな風に恋人気分まで満喫して、思い出を共有出来るなんて夢にも思わなかったよ…。 いつでもカッコ良くて素敵な上原君だけど。 文化祭でコスプレした姿は、普段見れないだけにスッゴく新鮮だった。 自分も女装なんていう、痛い経験までしちゃったけどね…。 本当に…幸せなんだ。 キミと過ごす時間はいつだって特別なものだから。 そう思う一方で、不安もかなり大きくなってしまった。 さっきの女の子達もそうだけど…もっと不鮮明だけど僕の中には確かに、文化祭が始まる前からずっと。 恐怖心にも似た何かが、燻り続けていたんだから…。 「そうだな…」 汗で額に貼り付いた僕の髪を、優しく鋤きながら。 ぽつりと答える上原君。 やっぱりそう思われてたんだと、 泣きそうな顔をすればガシガシと頭を撫でられて。 「俺はお前のそういうトコも含めて、気に入ってんだけどな。逆にひやっとさせられる時もあっから…」 「えっ?…ッ…~~!!」 思わずガバッと起き上がれば、駆使した身体が悲鳴を上げて。ガクンと崩れそうになるのを、上原君の腕が咄嗟に受け止めてくれる。 「たく…急に動くなよ。」 良いながら支えるよう、抱き締めてくる上原君を見上げ。いてもたってもいられない僕は、魚みたくぱくぱくと口を開いた。 「上原君、も…?」 不安になったりするの? いつだって余裕で完璧で。なんだって涼しい顔でこなしちゃうような、上原君は。 どんな時でも堂々としてるから。 いちいち悩んだりヘコんだりは、しないもんだと思ってたんだけど…。 「バーカ。俺だって人間だっつうの。」 呆れたように笑って返すけれど。 それでも僕は信じきれず、目を瞬かせる。 「俺はお前が好きだってコトだけは、自信持って言える。けど、お前の気持ちまで見えるワケじゃねぇからさ…。それにお前、大事なコトなかなか言わねぇだろ?」 ひとりで悩んでんのかって思ったら、心配で堪らないんだと…。上原君はちょっとだけ寂しそうに笑った。 「ゴメンね、上原君…」 やっぱりスゴイや。 僕の事ちゃんと見てくれてるし、全部お見通しじゃないか…。 僕なんて自分のコトでいっぱいいっぱいなのにさ。 同い年なのに、なんでこんなに差があるんだろう。 あまりに僕が女々しくて情けないもんだからと、 俯いて謝罪を口にすれば… 上原君は慰めるように、僕をぎゅっと抱き締めてくれた。

ともだちにシェアしよう!