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side.Akihito
『放課後、校舎裏で待ってます────…高月 陸人』
たった一行に綴られた、簡素な内容。
問題はソコじゃなく…
(高月 、だと…)
差出人の名前にあった。
他人にはトコトン興味がねぇ俺だったが。
一応喧嘩で名を売ってた時期もあり、ソイツの名にはなんとなく聞き覚えがあった。
(確か1年だったよな…)
今年入学したヤツで変わったのが入ったと、裏では噂も上がっていて。なんでも一見大人しそうだが、喧嘩のスイッチが入ると別人みたく強いっていう…
まるで機械人形みてぇなヤツなんだと。
俺は番張るとか、トップ狙うだとか全く興味ねぇし。
ソイツも喧嘩屋って呼ばれてる割には、欲のないタイプみたいで。
自分から手当たり次第に暴れまくる奴でも無かったようだから、今まで関わる事なく過ごしてたんだが…。
(上等じゃねぇか…)
保に目を付けるくらいだ。
勿論、俺の存在だって解ってるんだろう。
だったら、あるってことだよな?
俺のモノに手を出す、覚悟ってのがよ…
「上原君?」
「ああ…なんでもねーよ。」
考え込んだまま、険しい目で保をじっと見てたらしく…心配そうな声が下から掛けられて。
俺は安心させるよう、よしよしと頭を撫でてやる。
「誰にも渡さねぇから…」
「え…?」
やっとみつけたんだ。
アイツだろうが、高月だろうが、
保と俺の関係を邪魔しようってんなら────…
誰だろうと、容赦しねぇ。
俺は未だ姿を現さない敵達に向け、宣戦布告する。
保はやらない。
傷つける者も決して許しはしない。
(守るって、決めたんだ…)
俺の為に、身体を張ってまで怒ってくれた時の記憶が。今でも鮮明に蘇る。
俺が不甲斐ないばかりに…
保に怪我を負わせてしまった事をずっと後悔して。
あんな思いは絶対にさせやしない。
俺はそう心ん中で密かに誓いを立て、固く拳を握り締めた。
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