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side.Tamotsu 「…てなわけで。色んなとこからキミの写真注文が殺到してるわけなんだよ~。」 見た目は大人しそうなのに。 原君は別人の如く興奮を露わにし。 息も荒々、眼前で一気にまくし立ててくる。 学年は同じでも、殆ど初対面なふたり。 彼らのなんとも底知れぬ気迫に圧倒される僕は、つい尻込みしてしまうけれど。 そんな僕に構うことなく、原君は更に話続けた。 「ホント言うとね~、キミは上原君ともかなり仲良いだろう?」 叶うならば、ふたりのツーショットをお願いしたかったんだ…と。原君は本田君に同意を求めては頷き合う。 「けどさすがに彼は、ちょっとおっかなくてさ~。その点佐藤君だけなら無害…いや、頼みやすいかな~って思ってね。」 「はぁ…」 「引き受けてくれない?衣装とかはこっちで用意するし、なんならギャラも出すからさ。ねっ!?」 「そう言われても…」 困ってしまう。 だってアレは、文化祭でクラスメイト全員に迫られ、強制的にやらされたコトだし…。 別に女装趣味があるわけじゃないから、本音はかなり抵抗あったんだ。 それに僕なんかが女装しても、見苦しいだけだし? 何より、上原君と人前であんな格好は二度としないって約束しちゃったからね。 だから、はっきり断ろうとしたのだけれど────… 「頼む、このとーり!キミの愛らしい姿をもう一度拝ませっ…じゃなくて、ファンのみんなが待ってるんだ!!」 「でも、あの、上原君がっ…」 原君達も譲る気がないらしく、僕に口を開く隙すら与えてはくれない。しかも… 「なんのために命懸けで上原君の目を盗んで、交渉に来たと思う?」 全てキミの為じゃないか!!…だなんて。 既に話は交渉を大いに通り越し、立派な脅迫と化していたもんだから。 僕はもうどう対処していいか判らず、ただオロオロするばかり。 困ったなぁ…ていうかコレだけ僕に凄めるのなら、 上原君にも交渉出来そうな気もするけど…。 しかし彼らの勢いに飲まれた僕では、一切抗えず。 とうとう壁際にまで追い詰められてしまい────… 「嫌がってるだろ?」 『!?』 突然、僕らに向けて発せられた声。 思わず息を飲み、動きを止めた写真部のふたり。 僕を含めた全員がピシリと固まって、声の主を振り返ったが。 そこにいたのは…

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