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side.Tamotsu (上原君…) もう、戻れない…よね? 僕、ヒドイ事、言っちゃた。 上原君は怒ってたけど…それより何より、キミの瞳は不安だらけで揺れてたんだから。 なのに────… (僕の、せいだ……) 不甲斐ないばかりに、ちゃんと応えられなかった。結果、キミを苦しめてしまった。 あんな哀しそうな上原君、初めて見たよ… こうなってしまうのが怖くて、馬鹿みたいに独り不安がって。 焦って空回って自ら最悪の事態を招き、 為すすべ無く途方に暮れる。 僕はなんて、弱く愚かな人間なんだろうか。 (こんなんじゃ、嫌われて当然だっ…) この1ヶ月が、奇跡でしかなかったんだ。 これが現実。僕なんて所詮、彼に愛される価値なんて無い人間だったんだよっ… 「ふ…ぇッ……!」 でも苦しいよ…キミとの幸せな日々を、僕は知ってしまったから。独りきりという、この瞬間が…苦しくて切なくて仕方ないよ。 ううん、キミはきっともっと辛い思いをしてるんだから… コレは僕が受けるべき、当然の罰なんだろう。 屋上って、こんな寒かったっけ? 今まで独りでいた事なかったから、知らなかったよ。 キミと一緒だともう、キミの事しか考えられなかったからさ…。 (ダメだ、こんなの…) 諦めなきゃって思うのに、 過る記憶はキミと過ごした日々の事。 照れくさそうに笑うキミ たまに意地悪なキミ 真剣に話す時の横顔 キスの時に盗み見た、 男らしくて大人っぽい眼差し────… まるで生まれた時からある記憶みたいに。 振り返れば、キミしか思い付かなくなっちゃってた。 「も、やだぁ……」 弱く醜い心が、無意識に零れてく。 時の経つのも忘れ、一頻り泣き続けた僕は。 自分のことでいっぱいいっぱいすぎて… 扉1枚、隔てた向こう側の存在を。 知る事が…叶わなかったんだ。

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