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side.Tamotsu
ホントはずっと怖くって、泣きたくってしょうがないんだよ。でもね、
「好きだから。」
嘘は吐きたくない。
今までずっと言いたいこと、話さなきゃ…伝えなきゃって思うことを、後回しにしちゃって。
結局何も言えないまま、彼を苦しめ傷付けてしまった。
まずはその蟠りを解かなきゃ…なんだけれど。
何よりも一番キミに、知って貰いたいことは…
「僕の心は…好きになった時からずっと、上原君だけのもの…なんだ。」
見た目も心も、てんで弱っちくて情けなくって。
好きが増える度に、反比例してキミに愛され続ける自信がなくなってく。
「僕が中途半端なばっかりにっ、上原君のことを傷付けちゃった、けど…」
ごめんね、ごめんね?
けど、もしも許されるならば。
「例え嫌われちゃったとしても…ずっとずっと、この気持ちだけは変わらない、から。」
キミが好き。
こんなことになってしまったけれど、それでもやっぱり大好きで。
別れたいだなんて、
例えその場凌ぎの嘘であったとしても。
口になんか、絶対にしたくないんだよ。
「ムリしちゃってさ…」
今からレイプされるってのに。
強気な台詞を吐き捨てながら、マキ君は苦虫を噛み潰す。
「ムリなんか、してないよ…」
怖いし痛いし、上原君意外の人に触られるってだけで、死にそうなくらいの屈辱だけれど。
「こんなことしたって…無意味だから。」
冷ややかなマキ君の目を、真っ向から受け止める。
「なら…試してやろうじゃないの!」
その強がりがいつまで続くのか、を。
叫んでマキ君が手を振りかざすと…
僕を囲む少年達が待ってましたとばかりに、一斉に襲い掛かった。
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