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第3話 俺の相棒
カフェでいつものように場所取りを率先してやってくれる蓮は、最近めきめきと背が伸びた。もしかして中三の生徒の中で、一番背が高いかもしれない。
背ばかりじゃなくて、ラグビー部にありがちなマッチョ体型だ。まぁ、もう部活も引退したけどな。
「いつも悪いな、蓮。他の奴らはまだ?」
蓮はニコっと笑うと、俺の好きなキャラメルマキアートを差し出して言った。
「涼介はクールなのに、こんなに甘い飲み物が好きだってのがギャップ萌えだな。」
俺は素直にギャップ萌えドリンクを有難く受け取ると、蓮の真向かいに座って言った。
「あー、うちの理玖が甘いもの好きだから、それに付き合ってたら甘党になったってだけだ。」
蓮はクスクス笑いながら俺を見つめて言った。
「涼介って、ほんとブラコンの鏡だな。ふふ。今理玖くん何年生になったんだっけ?まぁ、理玖くんの場合、涼介だけじゃなくて、篤哉も輪に掛けて溺愛してるからな。まぁ特別なのかな…。」
俺はなんとなく蓮が奥歯に物を挟んだような言い方をしてるのが気になったけれど、こいつは基本自分のことは他人に言わないので、聞いたとしても答えないだろうと尋ねるのをやめた。
「理玖は5年だよ。いくら篤哉が溺愛してたって、5年生じゃどうこう出来るわけじゃないからな。あいつら見てると、どうしようもないんだぜ。覚えてるか?理玖が3年生の時に髪ばっさり切ったの。
あの時、篤哉めっちゃ動揺してさ、理玖に会わせてくれって必死で頼んできたんだ。俺、めんどくせぇから、校庭で引き合わせて放っておいたわけ。
そしたら、何か二人して気まずい感じになってて、俺マジで二人の板挟みになったんだ。自分の弟を悲しませる友達にもムカつくけど、篤哉も馬鹿みたいに落ち込んでてさ。
だからって、あの篤哉に弟をもて遊ばれたくないじゃん?兄貴の俺は非常に難しい立場だった訳。」
蓮は黙って聞いてたけれど、ニヤリと口元を緩ませると言った。
「しかも最近の篤哉はタガが外れてるよな?兄貴としてみたら、可愛い弟にはちょっと危なくて近づけられないよな?」
俺は篤哉が壱太と、コソコソと遊び回ってるのを思い出した。
「ほんと壱太は昔から節操がないけどさ、篤哉はどうしたんだマジで。俺にバレてないって思ってるのが浅はかだけど。とは言え、俺たちもあんまり人のこと言えないか?そう言えば蓮、最近後輩に告られたんだって?」
すると蓮は嫌な顔しながら俺を見た。
「…何で知ってんの。別に付き合ってない。」
俺はニヤニヤしながら尋ねた。
「でもやる事はヤったんだろ?お願いされて?蓮は優しいから年下にモテモテだよな。でも俺、意外だったんだけど。お前、男もいけたんだ。」
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