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第12話 蓮の相手

俺が蓮に誰と歩いてたのか尋ねると、蓮は俺をじっと見つめてきた。 「な、何だよ。聞くなって?」 蓮は時々こうやって俺に何か言いたげに見ることが増えた。高校になってからか?蓮にこんな風にされると何だか調子狂うんだよな。 「…別に言いたくないんなら良いけどさ。お前って秘密主義だから気になるんだよ。」 俺がそう言うと、蓮は手元のカフェオレをごくごく飲んでからボソっと言った。 「…遊び相手。俺の本命は別にいるから。ただ本命は真剣交際は望んでなさそうだから、時期を待ってるんだ。」 俺は蓮の初めての告白に正直びっくりして、同時に何だか嬉しくなって肩を組んで言った。 「蓮は純情なのか、そうでないのかわかんねー奴だな?でも蓮もちゃんと遊んでるって分かってホッとしたわ。本命ねぇ。確かに真剣交際するには、俺たちまだ若すぎるよな。あ、お前は相手次第なのか? そう言えば、この前鷺沼が妙な雰囲気出してきたんだよな。あんまり一人とセフレも良くないかもな。広く浅くの方が面倒じゃなさそう。蓮は広く浅くな訳?」 そう調子に乗って尋ねた俺に、蓮は眉を顰めて尋ねた。 「鷺沼先輩が妙な雰囲気って、どんな感じだった訳?」 そこ?俺は肩をすくめて答えた。 「あー、やる事やった後にキスしてくるって、彼氏みたいだろ?まぁ基本俺に不干渉だから楽な男だけどな。しかも絶倫だし。いや、俺の事は良いんだよ。 お前は広く浅くなのかって事。どうなの?」 蓮は俺を見つめて言った。 「そんなにしょっちゅうじゃないけど、たいてい一回限りかな。…本気になられると困るし。男でも面倒な奴は案外多いから。」 俺は目を見開いた。蓮て男漁ってるわけ?えぇ?いつの間にそんな感じだったの?俺はちょっと衝撃的すぎて、ポカンと蓮を見つめていたみたいだ。 ちょうどその時、篤哉が俺たちの座ってる噴水の側にやって来た。 「涼介、何その顔。何か面白い話でもしてたわけ?」 俺と蓮を交互に見ながら篤哉はニヤッと笑った。俺はちょっと親友の一人の性癖をガッツリ聞いてしまって、動揺してたのか何でもないと誤魔化した。 目の前の篤哉だって、結局理玖のことどうするつもりなのか。もし理玖が篤哉の本命なら、蓮の様に本命の真剣交際のタイミング図ってるのかな。 それとももうどうでも良いのかな。理玖は篤哉一筋っぽいけどね。俺は理玖の兄貴だから、二人に干渉するとややこしくなるから言えないけど。

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