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第13話 変化

俺たちは高校ニ年生になった。入学式そうそう篤哉が理玖に【約束】を申し込んだ。 半年前に、理玖が初めてデートをしたことを、篤哉を揶揄い半分、残りの半分は反応が見たくてメッセージを送った。するとその日の夜遅くに我が家にあいつが押し掛けてきた。 何だか強張った顔で理玖が誰とデートしたのか、俺に根掘り葉掘り聞いてきた。俺は篤哉の真意が知りたくて、少し大げさに楽しくデートして、キスもしたみたいだぞと篤哉を煽った。 篤哉はしばらくうなだれていたけれど、真剣な顔で俺を見つめると理玖の顔が見たいと言い始めた。もう夜中の12時になっていて、俺は理玖はすっかり寝てるよって言ったんだ。 でも篤哉はどうしても顔が見たいって言うからしょうがなく、もう寝顔で良いなら見てくればと篤哉を送り出した。 しばらくして戻ってきた篤哉の顔は、吹っ切れたような表情を浮かべていて、俺はちょっと二人の関係が進展するのかもしれないと思ったんだ。 それぐらい篤哉の顔はしばらく見たことがないくらい晴れ晴れしていて、あいつは案外くよくよをしがちだからなって、笑った。 翌日理玖が、あっくんに会わせなかったって俺にぶつぶつ言ったけど、篤哉が理玖の寝顔を見に行った事を教えたんだ。ただその日の夕食に赤飯が出て、兄貴が理玖の夢精のお祝いだって俺に耳打ちした。 俺はまさか篤哉が理玖に手を出したんじゃないだろうなって、一瞬焦ったのは内緒だ。でもその日以来、篤哉は遊び回るのをピタリとやめてしまった。 俺はその事をあえて聞かなかったけれど、同時に篤哉は時々理玖のことを聞くようになった。今では絶対聞こうとしなかったのにね。ほんとこいつわかりやすい。 一方その頃俺は困ったことになっていた。セフレを広く浅くにしなかったおかげで、鷺沼が俺にロックオンした気がしていた。気のせいならいいんだけど、言葉の端々にほのめかしがあったんだ。 別に俺は鷺沼は嫌いじゃない。だからといって好きかって言われると…。体の相性はすごく良いから余計悩むんだ。それでも俺は、そろそろ鷺沼と離れたほうがいいのかもしれないって。 まさか刺されたりしないよな…。そんなわけで時々俺は広く浅く男漁りしだした。ちょっとモーションかければ相手はすぐ見つかった。ただ1回限りってのも、なかなか便利な様な面倒な様な。 鷺沼はその事を知ってるのか知らないのか何も言わなかったけれど、えっちが激しくなったからそれはそれで良かったけどね。…でも、潮時なのかもなって思いながらも、俺も情が出たのかズルズル関係は続いてたんだ。

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