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第40話 慰めてくれよ※
俺の誘いに、蓮が身体を強張らせたのが分かった。俺を何を考えているのか分からない眼差しで見つめながら、グッと唇を噛み締めている。
俺は少し麻痺した心臓を動かす助けとなれば良いと思いつつ、胸を摩りながら言った。
「蓮、俺、何だか何も感じられないんだ。心臓も痺れてるみたいだ。俺って生きてる?俺を生き返らせてくれよ。お前の熱い身体で、凍りついた心臓を動かしてくれよ…。
もう、何も考えたくないんだ。…頼むよ。」
俺の懇願に蓮はツカツカと側に寄ってきて言った。
「…分かった。全くお前は残酷なのか、そうでないのか分からないやつだ。俺は鷺沼先輩の身代わりになるのはごめんだったが、今のお前には必要みたいだ。
その代わり、目の前に居るのは俺だって事を忘れるな。」
そう言う蓮に、俺は首を傾げて呟いた。
「なんで?葵はもういないだろ?…身代わりになんてしない。ただ、何も考えられないようにして欲しいだけだ。」
そう言って俺は浴室へ準備をしようと向かった。後ろから蓮がついてくるのが分かったけれど、特に何も言わなかった。それから俺は蓮がしてくれる事に甘えて、淡々と脱いで、シャワーを浴び直して、そして蓮が丁寧に綺麗にしてくれるのを受け入れた。
「…狭いな。」
そう呟く蓮を見下ろしながら、俺は蓮が解してくれるのを荒い息で耐えながら、少し持ち上がった自分の息子を上から見下ろした。
人生に何が起きようとも、俺の性欲は止められないんだなって、そう思うと少し可笑しくなった。蓮はそんな俺を黙って受け入れてくれた。
優しくキスすると蓮はゆっくりと指で俺の中をかき混ぜ始めた。ああ、気持ちいい…。蓮の連れてくる柔らかな快感は俺を癒した。
蓮はぐったりとした俺を浴室から連れ出すと、さっとタオルで拭いてベッドへ連れてきた。横になった俺は、立ち塞がった蓮を見上げた。
昔、いやらしい目つきで眺めたことのある蓮の身体は、俺好みで大きくて肉厚だった。その身体の中心にそびえ立つシンボルは想像より大きくて、思わず俺はごくりと喉を鳴らした。
「蓮、生き返らせて。」
蓮はベッドをギシリと鳴らしながら俺に覆いかぶさって来た。俺に優しく口づけながら、顔を歪めて言った。
「まったく、こんな始まり方は想像もしてなかった。だけど、俺はお前を手に入れるためなら、どんなチャンスも逃さないって決めたんだ。…涼介、俺に溺れろよ。もう、離れられなくなるくらい。」
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