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第67話 記念行事※

いつから蓮の口づけが甘く感じる様になったんだろう。最初からか?もう数えきれないくらい俺たちは馬鹿みたいにキスしてきた。そしてこれからも沢山するだろう。 最近の洗濯機の様に『2000回目の洗濯です」って音声案内してくれたらいいのに。キスの回数が俺たちの歴史だ。そんな馬鹿な考えは、蓮の攻め立てる舌遣いにあっという間に霧散してしまった。 焦らすように俺の口内を這い回る尖らせた舌先は、急にぼったりと重く俺をいっぱいにして、その苦しいような、ギリギリの快感が腰を震わせる。 もう俺の膝は緩んで、蓮が回した腕の支えが無ければ、ガクッと跪いていただろう。重くなった瞼を力無く持ち上げれば、蓮は俺をじっと見つめていた。 俺は顔を離してベタベタになった唇を自覚しながら、顔を背けて言った。 「…見るなよ。こういう時の顔見られるとか…嫌なんだけど。」 すると蓮はクスクス笑いながら、俺の背けた頬やらこめかみやら、果てには耳にまで音のするようなキスを繰り出して言った。 「そうやって恥ずかしがるのも、いつもみんなに見せてる俺様な涼介と違ってそそるんだけど。俺しか知らないとか、どんなご褒美なの。まったく、涼介は無自覚に煽ってくるから、俺も堪え性が無くなるんだって。」 そう言うなり、俺の腰に緩く回していた腕をグッと引き寄せた。俺の兆してしまった下半身に、びっくりするくらい育った蓮の逸物が押しつけられて、一気に顔が熱くなった。 「あ…っ、れ、ん。…んっ。」 俺の首筋に舌を這わしながら腰を掴んでグリグリと擦り合わせられて、俺は直ぐに蕩けてしまった。ああ、もう早くシャワー浴びたい…。 蓮は俺の目を覗き込むと、妖艶に笑って手を引いて浴室へ連れて行った。俺たちはキスをしながら、お互いの服を待ちきれないように剥ぎ取った。目の前に鍛え抜かれたマッチョな蓮が現れて、俺はクスリと笑った。 「どうして蓮は着痩せするんだろ。こんなにあちこち立派なのに、普段はそう感じないのって、わざとなのか?」 蓮は俺の指先が蓮の裸をゆっくりなぞるのを、されるがままギラついた眼差しで見つめて言った。 「そうだな。わざわざ見せつけるのは性に合わないから。あまり強調しない服を選んでる。それにお前が知ってればいい話だから、余計な奴らを引き寄せたくないんだ。」 俺は臍から伸びる黒い体毛の筋に指を絡めて言った。 「俺だけがこのセクシーなラインを知ってれば良いって事か?ふふ、確かに蓮が身体のラインを強調して歩いたら、アルファもオメガも後をつけて来そうだ。それはちょっと妬けるな。 …この身体は俺だけのものだからな?蓮は俺だけのものだ。…誰にもやらない。」 蓮は笑いもせずに余裕のない表情で、俺を睨むと俺の指を自分の猛り切ったソレに絡めて何度か擦りあげた。そして興奮して浅い息をつく俺に言ったんだ。 「まったく、急にデレるなよ。加減できないだろ?」

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